野球選手の寿命は、延びているとされている。
医学の発達、選手の体のケアと体づくりへの意識、化学的トレーニング、食事へのケア
休養、管理、一般生活にも溢れる体の構造知識、etc...
こうなって寿命が延びないわけがないと言える。
しかしこの寿命というのも野球ができる体を維持できる期間が長くなったという解釈だ。
イチローがTV番組で野球選手の平均年齢は昔と変わっていない。
だから選手寿命は延びていないというような主旨で発言していたことがあった。
そりゃ変わらない。
平均年齢は延びようがない。
平均年齢をもって、選手寿命を考えても延びようがない。
プロの世界は人数に限りがある。
プロには支配下における選手に限りがあり、高いレベルが要求されるため、
レベルに達しないと思われる選手はクビを切られる。
ベテランが増えれば、多くのクビになる若い世代が出ることになり、高卒、大卒の若い人が入ってくる。
逆にベテランがいなくなれば中間層が増えるだけで結局、平均年齢はどこまで行っても変わらない。
だから平均年齢をとって選手寿命が延びたかどうかを計り得ないのだ。
イチローの発言は誤りということになる。
そして山本のゆに50歳までやる選手がたった一人出ようと、平均年齢に影響するまでにはならない。
選手寿命の延びとは、医学的に維持できているかということなのだ。
一流野球選手が引退を決めるとき、メディアでは加齢による衰えを指摘し、
引退するという内容の伝え方をするが、実はこれが原因の場合はむしろ少ないと言える。
加齢による衰えの前に引退を決める理由で一番多いのが怪我だ。
それは、歳がいってからの怪我ではなく、若いころから野球選手というのは
怪我を抱えて選手生活を送っているもの。
五体満足でプレーしている選手なんて、まずいない。
この怪我のおかげで練習量が制限されたり、プレーの質を落としたりしている。
そして、少しずつ上がる全体のレベルについていけなくなる。
そしてさらに、新戦力に同等かそれ以上の選手が現れる、もしくは同等以上の選手が育ち、
引退へと追いやられるのだ。