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勝ち残ったものには破格の待遇が用意されるプロの世界 再録

年が明けて各チームが今季の構想を練っている状況の中、もう野球ができないクビ宣告の中に、

まだしがみつきたい選手たちもいる。

一時、スポットライトを浴びた選手ほど、

その栄光に固執して必要とされていないということに気づかないように思われる。

そこには選手と球団の意識の差に齟齬があるからだ。

選手にとっては一度しかない人生だということになるものの、球団にとっては

ワンオブゼムでしかないということ。

選手にとっては、あきらめたらそこまでということになるものの、

球団は捨てても別の個性を拾えばいいということ。

器が知れてしまったベテランが、そこそこ一軍で戦力になるくらいでしかないのなら

球界の発展に寄与しないので、ニューフェースの成長に期待した方がファンへの訴求にも効果がある。

その中でケガさえなければと悔やむことばを聞きくが、野球選手などケガをして当たり前だ。

五体満足でプレーしている選手の方が少ない。

名選手ほど体を酷使するのでケガをする。

そして、名投手は例外なく利き腕を壊す。

だから、ケガさえなければというのは当てはまらない。

それが寿命とさえ言える。

さらにケガをしていなくともプロのレベルは年々上がるので、そのままでいられることの方が少ない。

トップの実力でいられる期間は短く、輝く瞬間は一瞬であり、後から入ってくる新しい個性に飲み込まれていくもの。

そうでなければ野球が発展していないということだから。

プロは孤高に戦う姿勢でいて、敗れれば去るという世界だ。

だから勝ち残ったものには破格の待遇が用意されることになる。

これを求め、最上層部では熾烈な争いが繰り広げられ、全体のレベルを上げていく効果を生む。

新しい個性が現れたり、実力の衰えやケガによって立場を追われていく世界であることを

わかっているはずなのに、過去にも固執して晩節を汚すベテランを多く見受ける。

イチローでさえ。

ファンは職業としての野球選手を応援していない。

高度な技術と戦いに感動し、自分にはできない超人としての彼らに夢を賭けている。

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