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もう助っ人とは言わせない 再録

40年くらい前の日本の野球では外国人は2人までという決まりがあった。

今では言うことが少なくなった、「助っ人」というやつだ。

ちなみに、その頃の新聞表記は「外人選手」だった。

今は、外国人という言い方をする。

外人という言い方は、偏見を含む乱暴な言い方で品がないということだ。

そして、その頃の「助っ人」、つまり外国人は野手が多かった。

野手というより打者。

長距離砲にクリーンアップを打ってもらうというもの。

今も外国人には長打を期待して獲るものだが、ピッチャーの数はかなり多くなった。

1球団で抱えられる数が増えたからということが大きな理由のひとつだ。

そして、日本の野球が知られることになり、日本の野球の質が高く、やりがいがあることに気づき、

さらにビジネスとしても市場価値がとても高いので助っ人としてではなく、

望んでやって来るようになった。

古田は、

「日本の野球のレベルは上がり、それまでは助っ人として来てもらっていたが、今は、こちらから行って、ヤンキースやレッドソックスのローテーション。こんな愉快なことはない」

確かに、レベルが上がっているのは間違いない。

それは野球に限らず、全てのスポーツがそうであり、さらにスポーツだけに限らない。

しかし、助っ人でピッチャーを獲っていなかったことからも

そもそも、日本のピッチャーのレベルは既に高かったという見方もできる。

ピッチャーは自前でも十分、戦える層だったということで、だからその時

日本のピッチャーがMLBへ行っていても、結構できたのかもしれない。

当時はその道がなかったので、実績がないだけで、トップレベルのピッチャーは

当時でもヤンキースのローテーションに名を連ねるだけの力はあったかもしれない。

ただ、今の方が体が大きくなり、外国人ピッチャーとの差は

その部分では縮まったということだけは言えるだろう。

パワーピッチングでもデカイ打者を力負けさせるということが可能となったとは言える。

今もMLBで活躍する日本人はピッチャーが多い。

ピッチャーが通用しやすいのは、野球はピッチャーが有利でできているから。

ピッチャーが球を投じることで野球はスタートし、その投じられた球に打者は対応するという立場になる。

ピッチャーは球に意思を込めて、打者はバットという道具に結果を委ねる。

素人の投げる球をプロの打者がヒットにできない可能性がある一方、

プロのピッチャーの球を素人が打ち返すことはまず無理。

ピッチャーは7割抑えても、打者の3割が勝ちと表現することがあるほど。

スコアボードに並ぶ数字は、幼少の野球からプロに至るまで、どのレベルでも圧倒的に0が多い。

野球はピッチャー次第のスポーツ。

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