夏の大会は日本一、覇権を争う大会だ。
大会の意味は覇権を争い、選手の意義は高校生活を通じた青春の集大成だ。
野球で生きていく目標を持つトップの選手は青春の集大成以外のものも多く含まれるが、
とりあえずの名目はそういうところだ。
一応、部活動だから。
大会自体の意味として、夏は最後と位置付けられ、
現時点での高校生の日本一を決めましょう、ということだが、
春は高校生活の中ほどで選抜大会の形式をとる。
この場では過去にも記してきたが、センバツで優勝してもそれは日本一ではない。
センバツはその名の通り選抜されたチームで対戦されるので優勝チームも
地方大会のどこかで負けた可能性がある。
実際、そういうチームが優勝することは何度もある。
そういう理由から地方大会を優勝してセンバツ当確と思われていたチームに
いわゆる不祥事と呼ばれるようなことが発覚した場合、春なら、高野連は制裁を加えやすい。
センバツと銘打っているので高野連の方針が優先されるし、最後の大会はないので
ここで一度引き締めて夏を目指しなさい、というメッセージにもなる。
これが夏の場合、犯罪行為や暴力、喫煙禁酒といったことが部内で発生したなら
高野連から制裁をかけられるが、法律違反でない、道徳に反したといったことや
不相応なことが起こったということなら高野連から強権を発動しにくい。
ここはチーム内での判断となろう。
春ならば、それでも、高野連から自粛を促すことができる。
夏は法律に関わらなければ自浄だ。
部内でない校内での不祥事や一部員だけの不祥事でもチームで不出場の決断があり得る。
逆にチームや学校の判断になるのでより厳しい可能性もある。
子供に対するしつけと一緒だ。
通常なら優勝していながら選ばれないということはないが、
些細な理由で優勝チームが選ばれないということがあり得るのが春だから
日本一や全国制覇という言い方はしない。
ただ、都道府県で行われる大会を制し、関東大会や近畿大会といったチャンピオンの
集まる大会も制し、センバツ大会でも優勝すれば、秋からセンバツにかけて無敗ということになる。
この王道は日本一と言ってよかろう。