2週前にオリンピックで印象に残った競技を振り返ったのだが、バドミントンにしか
届かなかった。
だいぶ間が空き、熱も冷めてきた感があるが、怯むことなく記す。
だが、オリンピック選手のパレードが約1か月後に予定されているくらいだから
英雄たちへの熱視線は、まだつづくとも見られる。
水泳自由形800メートルリレーでの日本3着。オーストラリアに勝ってしまうとは。
4人とも積極的な泳ぎをして、王者アメリカにさえ食らいついた。
1人1人が後ろにつなぐ意識は体操ニッポンと同じ。日本の特長。
バドミントンの決勝は、ゲーム開始からしばらくは相手の高さに慣れない状況が続いた。
研究はしてきたとはいえ、試合中で修正するのは大変なことだ。 ハッキリ言ってできないことだ。
どうしていいかわからないまま終わるのが関の山。
ところがバドミントンの2人はそれをはねのけたが、柔道重量級の指導の負けは
まさに、そのどうしていいかわからないという状況だった。
原沢も羽賀も逃げ回る相手にどうしていいかわからないという敗戦だった。
逃げ回る相手に「組め」とか「あれじゃなにもできない」などの声が多数だったが、
指導をもらっているのは日本人の方だ。
指導をもらうということは、そもそも積極的でなかったのは最初は日本側だったということ。
指導をもらうような柔道をしていることが逃げ回る相手云々より問題であり、
さらには逆転するにはもう前に出るしかないのにそこもしなかった。
ポイント不利ならもう捨身で一本とられてもいいから相手の懐に飛び込み、
相手に組手をやってでも活路を見出す姿勢を見せなければいけないのに
それが全く見えない。その鍛錬も足りていなかったのだろう。
指導の敗戦は一番情けない。何しに日本代表としてリオに行っているのか。
羽賀については以前に記した時、いい心構えで応援したくなったのだが、この戦いは残念だ。
その内容はコチラ 2015-9-16へ
反面、大野はよかった。
一本とる柔道を貫き、勝っても畳の上ではニコリともせず、柔道の本質を伝えようとしているかのようだ。
インタビューでも勝負のことより内容を振り返り、柔道の良さを伝えることに神経を払っていた。
この大野が見せた柔道の心がぜひとも世界中に広まることを願う。
吉田は敗けて退くかとも思われたが、続けるそうだ。
これまでの功績を考えれば、負けて退くのは女王に相応しくない。
次のオリンピックを目指すというより、相応しい花道を探すということなのだろう。
以前、吉田は110連勝で途切れた際も号泣した。
その試合直後、失意に暮れる吉田にお母さんが電話した。
そのことばに吉田は一気に元気をもらっていた。
幼いころから厳しかったお父さんの一方で常に優しく接してきたお母さんが、
厳しいともとれる言葉を吉田にかけたのだ。
「あなたが連勝してきた間、今日のあなたのように悔しい思いをして泣いてきた人が110人もいる。ここで挫けていていいのか。」
聞いた瞬間、吉田ならずともこちらも、とても響くことばで腹にストンと落ちた。
一方、勝って花道を飾ったボルトは引退を示唆している。
スーパースターは引き際が大事なので強い時に退こうとするのは当然のことだ。
そりゃ周囲はまだ見たいが、美しさが大事であり負けて退くのはモヤモヤが残る。
しかもボルトの最盛期は過ぎた。記録の更新も難しいだろう。
地上の誉は浴びつくし、これ以上はどこにもその快感はないのだから
余力を残して辞める決断をするのは当然の流れだ。
まだオリンピックの話は来週もつづけよう。