タイブレーク制度ができてから各チーム、ランナーを置いての得点の仕方、
ランナーを置いての守りのフォーメーションをより考えるようになった。
1点をどう獲るか、1点もやれない賭けをどうするか。
横浜高校はその練習を積んできたことがよくわかるシーンを県岐商との戦いで
見せつけてきた。
まずは9回裏同点一死二、三塁で内野5人シフト。
この時は外野手のところに内野手を交代させた方がいいだろう。
外野の一人として起用された選手は内野に入り、5人が前進守備をとった。
ファーストはスクイズに備えて極端に前に配置した。
そしてレフトをがら空きにした。
前進守備かつスクイズに備えるのなら、満塁にした方がよいと思われるが、
相手の打順を見ながらそこは判断したのだろう。
むしろ相手に満塁よりやりやすい状況にさせてホームで刺しに行ったのかもしれない。
こうなると、攻めは外中心になる。
打ってきたときに引っ張らせたくないし、スクイズはファーストに捕らせたいから。
昨年、同じく9回同点の場面で見せた早実の内野5人シフトの時も満塁策はとらなかった。
この時はレフトに内野手を起用し、そのレフトをピッチャーの三塁側の横につけた。
早実は打者が左、横浜は打者が右の違いがあるので、
どちらも引っ張らせないという考えは一緒だったようだ。
スクイズは早実が三塁側へ、横浜が一塁側へやらせる、ということなのだろう。
だが、早実の時、キャッチャーは外を構えていたのにインコースへ投球は行った。
これに打者は詰まり、まさにピッチャーの横に付いたレフトの前に転がった。
記録はレフトゴロということになるのだろう。
横浜高校の時はまさにスクイズをしてきた。
外角の球に飛びつくと突っ込んできたファーストの前に転がり、グラブトスで本塁
死守という野球の最もおもしろい場面を演出した。
1点をどうもぎ獲るか、何が何でも死守するか。
本塁上で両者が飛び込む感動のベストプレーが生まれた。
そしてこの後にあの奥村のセンス爆発の二塁封殺が生まれることになる。
守り切った王者横浜。
つづく。


