先週の話(その内容はコチラ )の続きで
勝負が優先され、精神性が希薄になってしまいがちなスポーツ。
そのスポーツのひとつとされる格闘技。
そこで起きた大事件はというと。
桜庭VS秋山だ。
人を傷つけるのに、精神性を内包しないと理屈が通らなかった日本の武道。
一方で
タイの国技のムエタイは、一家の稼ぎの柱として小さい子でもその過酷な世界に飛び込む。
そして、殴り、蹴り合う子供の試合に金を賭ける大人たち。
桜庭VS秋山では秋山が、体をすべりやすくするクリームを塗ってリングに上がったのだ。
事の顛末は感想肌なので保湿クリームを塗っていて
それが、禁止物だとは知らなかったということだったと記憶している。
にわかには信じがたい言い訳であった。
そして、知らなかったというのは言い訳にならない。
このすべりやすくした体のおかげでタックルを得意とするアマレス出身の桜庭に捕まることを防いだ。
完全に間合いに入っていながら逃げられるという桜庭にとって不可解な展開になり、
そのため反撃にあってしまい、数十発殴られ、レフェリーストップとなった。
秋山は柔道出身で武道を心得ていながら、このありさまだ。
ルールに反する行為で人を殴り続けたのだから公然の傷害事件だ。
秋山は逮捕されることなく謹慎処分が下り、その後はまたリングに上がることが許された。
まったくもって納得いかない裁定だ。
そして、この大会を主催したK-1は、秋山に謹慎のペナルティーを課しただけで、
自らを律することはなかった。
主催者側は格闘技という命に直接かかわる興業でルール違反を見逃したという醜態をさらしている。
ルール違反、反則が絶対起きないよう、徹底監視、徹底チェックを行わなければならない。
人が死ぬかもしれないんだ。
秋山と同じレベルで罪がある主催者は、誰にも指摘されないことをいいことに、
秋山への謹慎処分くらいで幕引きをはかった。
秋山も谷川(K-1最高責任者)も人を傷つける興業を行うにはどうしても必要な精神性を疎んじた。
だから公然の傷害事件が起きたと解することができる。
見る側も、興業としてのみに見方が偏っていると判断を誤る。
眼前で命を落としかねない行為が行われている。
嬉々として観ているばかりではダメだ。
ファンが行き過ぎた興業と行為に歯止めをかける責任がある。
格闘技は暴力が前提だということだ。