松坂引退を受けて、引き際について記している。
昨日記したカズ52歳の時の記事には
「客寄せパンダ、と揶揄（やゆ）する見方もあるが、プロは人気商売だ。カズがいたからこそスポンサーが集まり、チームを強化できた側面があり、また、誰よりも練習熱心でベンチから外れると本気で悔しがり、２４時間サッカーに捧げるストイックな姿勢が若手にもたらした影響力は計り知れない」
とあった。
プロは人気商売だが、実力があってからの人気商売だ。
人気を先行してのものなど、もろいもので本物ではない。
その先がなく、発展がないからだ。
実力がない者に人気があるということは、その組織のレベルと観る人間のレベルが低いからということになる。
実力がないものに人気があるなど勝負の世界ではまやかしなのだ。
そして練習熱心であることはプロには関係ない。
プロは人間を教育、育成しているわけではないから練習などしようがしまいが、実力がある人間に分がある。
ただ、練習熱心でなければ、所詮は同じ人間がやることなので通用しないからやらなければならない。
24時間サッカーに捧げるなど、プロとして特に褒められることではない。
プロなのだから当然であり、本人が好きだから24時間好きなことに没頭しているだけのこと。
そしてそれが若手に良い影響を与えているケースは少ないはず。
いい歳こいてアホちゃうかと見ている方が普通だ。
メディアや人前では本音は言わない。口にすることが必ずしも本心とは限らない。
プロの実力者が自分より実力が劣る年寄に影響を受けるなど少ない。
勝負の世界でヘタクソのおっさんにいつまでもグラウンドでうろちょろされたら若い奴はアホちゃうか、
いい加減もうやめろよ、という感情になるのが普通だ。
邪魔だよ、俺達の練習の場所と時間が少なくなるだろ、と。
カズの日本サッカー界に及ぼした、いや日本スポーツ界に及ぼした影響、功績、実績は大きいものだ。
その功績、実績がなければ、松坂同様そもそも50歳過ぎてやらせてくれない。
ただそれらの功績とは長くやっているからではないし、今も続けているからではないわけだ。
かつての輝かしいエースとしてのプレーによるものだ。
カズ程度のプレーなら、高校生にもそれより上がたくさんいる。
日本に帰って来てからの松坂より将来有望な若者の登板機会があったはずなのだ。
スポーツ界のように次の才能や個性が毎年、現れる世界でいつまでも居座っていることは良いことではないことが多い。
年老いても続けるカズから世間が元気をもらっているなどという風潮があるのは体を使う競技で勝負の世界
ということからしたら間違っている。
だいぶ前、張本がカズに辞めるよう勧告したことで世間が「一生懸命やっている人に失礼」だの
「努力しているのだから」だの「引退は自分が決めること他人がとやかく言うな」だの
「サッカーのことなんか知らないくせに」だの「契約しているということは必要な選手だから」だの、
まったくもってプロに対する見方でない上、張本の意図していることをわかっていないで騒いでいる頃から
この場では張本の方が本質をついていると断言していた。
事の本質は、サッカープレーヤーとしての実力が足りないカズに対する身の引き時の大切さを説いており、
組織の循環や新しい展開が新たな夢を創造することを言っていたのだ。
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