ワールドカップでは得失点や総得点で一喜一憂する。
自分の試合だけでなく、同グループの他力に頼らなければいけない。
野球では国際戦にこの得失点が登場する。
しかし、野球にはサッカー以上にこのルールはなじまない。
以前のU-18の戦いで、決勝進出をかけたセカンドステージを各チームあと1戦、残す形で
アメリカ全勝、韓国1敗、日本2敗、カナダ2敗という状況があった。
カナダは1次ラウンドで2敗し、2次ラウンドでアメリカに負けているので実際は3敗しているのだが、
1次ラウンドの1敗の相手がチャイニーズタイペイだった。
チャイニーズタイペイは、2次ラウンドには進んでいない。
カナダは2次ラウンド進出の韓国とオーストラリアとの1次ラウンドでの戦績1勝1敗を持ち越すことになった。
チャイニーズタイペイ戦の敗戦はカウントされないのだ。
アメリカが韓国に勝ったことでアメリカの決勝進出は決まっていた。
日本としては韓国に勝つことが絶対条件。
しかし日本が韓国に勝ったとして、カナダが最終戦に勝つと2敗で3チームが並ぶことになる。
すると勝敗数で並んだ場合の進出チームの決め方が登場する。
まず、(1)該当チーム間の勝敗で決定。
このルールだと日本が決勝進出するに絶対条件の韓国に勝つということを仮定すると
日本は韓国に勝ち、韓国はカナダに勝ち、カナダは日本に勝ったということになり、これでは決しない。
次に、(2)該当チーム間のTQB(Total Quality Balance)で上位2チームを決め、上位2チームは対戦結果で決定
※TQB=(得点/攻撃イニング)-(失点/守備イニング)
このルールで3チームのうちの1チームの足きりを決めるというもの。
とりあえず、このTQBというもので1チーム脱落を決めようということだ。
TQBで上位に入るためなら得点を多くし、失点を少なくする戦をするしかないと思いがちだ。
ところが、無邪気に打ち、無邪気に相手を抑えたとして、日本はTQBの成績が良くなって
上位2チームのひとつに数えられ、よかった、よかったとはならない。
こうしてしまうと相手の韓国のTQBが悪くなってしまうからだ。
韓国のTQBが悪くなり足きり対象が韓国になると上位2チームが日本とカナダとなる。
そして、いざ決勝進出チームを決めるとなると日本とカナダの直接対戦成績となり、
カナダに負けている日本は脱落ということになってしまうのだ。
韓国戦は負けたら当然だめで、勝つにもTQBを良くしながらも大勝して韓国を脱落させてもだめだったのだ。
当時、巷では7点差はダメで6点差がいい、とか噂が立ったものだ。
ちなみに、2次ラウンドを戦う際は4チームが並んだ時の複雑さやコールドになった時の
イニング数の違いなどによる複雑さも考慮しなければいけない。
ややこしいルールだ。
表の攻撃か、裏の攻撃かの差で9回の1イニングの差ができてしまったり、
無死でのサヨナラと2死でのサヨナラでも8回0/3と8回2/3で違いが出たり、電卓をたたきながら試合をすることになる。