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名勝負Ⅴ

名勝負と言われてきた

村山VS長嶋、江夏VS王、江川VS掛布、

野茂VS清原、伊良部VSイチロー、黒田VS松井も

投げることと打つことという全く違う行為において勝負と位置付ける野球の対戦は、

両者の優劣を測るという勝負ではないのだ。

 

名勝負と騒ぐがエンターテイメント目線に過ぎないということ。

 

特に受け身で待つバッターには傍で騒ぐ名勝負とは違う

感覚をもつものだ。

 

以前凡打とは4種類に大別されるという話をした。

2014年3月20日 2014年3月27日 2014年7月1日 2014年7月7日 2014年7月8日

 

打者は

抑えたと言われても抑えられた気がしない時がある。

 

私の経験で言えば、

どうやって打っていいかわからない。

こんな球打てない。というのは、小学校5年生の時、

当時、リトルリーグで超有名なひとつ年上の右投げピッチャーの球が

背中の後ろから来るような感覚に陥り、

どうやってバットに当てたらいいのかわからない。

という1度だけだ。

 

その試合は6回までで我がチームは14三振を奪われた。

その後、プロへ行くようなピッチャーにも対峙したことがあるが、

手も足も出ない敗北感というのは味わったことがない。

 

そして、先日、経験のないスライダーを見たときは、

そのスライダーに絞って打ちに行き、

他の球が来たら対応するとしなければ打ち返せないのだ。

ということを知ることになる。

 

つまり打ち取られたといっても

手も足も出ない、どうしたら打てるのかわからないというような球でなければ

打者は勝負に負けたと位置づけられても

敗北感に打ちひしがれるということはないということだ。

 

だから負けたという感覚がない。

 

逆に

ピッチャーの立場でいうと

打たれてもショックがない時がある。

 

全力投球でない、まだ隠してある球種、組み立てがある。

ホームランになってもおかしくないような球が単打で終わった。

などの時、打たれた感覚にはならず、特に印象に残らない勝負に

なったりする。

 

ピッチャーとバッターで名勝負だと言われている戦いも

実は本人達からしたらそんなに大騒ぎすることじゃないよ。

だって次は打てるもん。だって次は抑えられるもん。

と思っているかもしれない。

 

そして、

そもそも全く違う行為をするピッチャーとバッターが勝負しているかと言えば、

そんなことはなく、

名勝負とはピッチャー同士の投げ合い、チーム同士の拮抗した展開が

本来の名勝負といえるものなのだ。

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