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広島悲願に道険し 日本シリーズ第5戦

広島先制後の野間のライト前ヒットに上林が見事なバックホームを見せた。

第4戦もソフトバンクは柳田‐明石のラインで菊池をホームで刺したが、それよりはこちらの方が

高度なプレーだ。

4戦のものは、捕ってカットマンに返した柳田も、

バックホームした明石にもタイミングで刺せるという感覚を持ちながらプレーしていた。

つまり、余裕があったのだ。

むしろ、走ってこいとゆっくりプレーしたかもしれないほどだ。

わざとゆっくりして、3塁コーチに回させて本塁で刺すということを意図してやったのなら、

高度なプレーではある。

4戦の中継プレーは、広島側はアウト覚悟で回した。

しかし、この第5戦の本塁突入はセーフになると思って回している。

ソフトバンク側や当人の上林からすると刺せそうにないという感覚の中でプレーがなされている。

そこで上林は思い切ったノーバウンド送球を選択する。

そして、キャッチャーが捕ったところにランナーが来るような返球で

キャッチングするとそのままタッチができた。これしかアウトにする方法がないという返球であり、

ビッグプレーだ。

 

松田に代打を送ったり、内川にバントを指示したりと、かつての主力にも勝つための策を高じる。

ベテラン陣も優勝のために、応えようとする。

さらに相手ピッチャーによって右、左の起用を変え、打順だって柳田以外は固定しない。

そして、勝っている状況でランナーを背負うと、エースを諦め、丸に左のワンポイントを出した。

ホームランで失敗したとはいえ、勝とうという姿勢が見えてソフトバンクは、いい野球をしだした。

 

5回、上林のショートゴロのリクエストは、判定通りセーフとなった。

確認したのにセーフかよ、と、田中が驚いた顔をしていた。マジでー?

完全捕球とランナーがベースに触れたタイミングということでセーフ判定にしたのだろうが、

リアルタイムの映像でもアウトに見えたし、リプレー映像でもアウトに見える。

場内もアウトの雰囲気に傾いていた。

そして、リプレー検証の後には、抗議が出ないことも、このリクエスト制度の特徴だ。

再生映像、文明への絶対信頼だ。

それについて記したのはコチラ⇒2018-7-19 “いってこい判定”、“流れアウト”といったものは必要ないリクエスト制度導入Ⅴ

 

5回、ソフトバンク同点の場面でヘルウェグは柳田のピッチャーゴロをはじき、

拾い直した後、ホームへ投げなかった。

握り損なったというのもあるかもしれない。そこは、本人しか知りえないところだが、

恐らく、あの体勢でホームへ投げるという技術を持たないのだろう。

大柄の外国人ピッチャーにはよくあることで、短い距離を動きながら正確な送球ができない。

昔、ヤクルトのピッチャーだったブロスも大柄で、キャッチボールがまともにできなかったそうだ。

18.44mのマウンドからキャッチャーへ、足を上げて自分のタイミングで投げないとコントロールが

出来ないということ。咄嗟の打球に対応する内野手の動きができないのだ。

 

6回、ソフトバンク3番手は、回アタマということでやっぱり武田が出てきた。

でも、この場で何度も記しているが、

6番左、7番左、8番右、9番左、1番左と続く打線に右ピッチャーを出すのか。

武田が信頼できるからだろうが、それならなおさら、ここは力の劣る左ピッチャーを挟み、

武田をもっと後ろに回せる。

左の枚数が足りていないので、本当のピンチのところでワンポイントにとっておきたいからなのだろう。

しかし、そうなったら右の代打が出てくるから意味がないはず。

回アタマはどんな打順であろうと武田で行くと決めているようだ。

と思っていたら、右の曾澤に出会い頭の一発が出た。

一発と言っても狭くなった球場でハマっただけのレフトフライだけど。

 

7回、上林がライトへ大きなファールを打ったが、これは左ピッチャーだから、こういう打球になる。

昨日も記したが、上林はトップが頭の後ろに来て、巻き込むようなバットの軌道となる。

右ピッチャーだと見やすいので高めの失投にドンピシャのタイミングで巻き込んで打つ事が出来、

飛距離が出る。

左ピッチャーだと同じコースに来たとしても、見にくい分、早めに判断することになり、

芯に当たるとファールになってしまうのだ。

そして、ホームランのない明石にホームランが出たということは投げ損ないということ。

高めに浮いたスライダーを運んだ。

左打者が左ピッチャーからホームランするのは、失投だからなのだ。

大谷も今シーズン左ピッチャーからはホームラン2本。

 

8回、同点で先頭の西川に右の代打バティスタを起用した広島。

ここでソフトバンクは高橋を投入した。

広島としては嘉弥真対西川と高橋対バティスタを比べたというより、

右の代打を送ることでそのまま嘉弥真続投なら有利だし、

高橋に代えてもらえれば、ピッチャーの枚数を使ってもらえることになり、

延長にでもなれば有利な試合運びになるので、枚数を使わせるためにも代打を出したのではないか。

打てなくても仕方がない。ピッチャーを引っ張り出せればそれでOKと。

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