サッカーの実力を示すポゼッション。
日本はドイツ戦、ポゼッションで負けていたのに試合には勝った。
逆にコスタリカ戦はポゼッションで勝ったのに試合には敗けた。
ポゼッションとはボール支配率であり、ボールを保持している時間が長いことを言う。
このボール保持について野球だけ特別な行為がある。
他のスポーツには共通しているのに野球だけ逆の行為になるのだ。
ボールを支配している率が高いほど、ゲームをコントロールしているということが言え、
それは相手を押している、という解釈が成り立つ。
このようにポゼッションという概念が発生するのはボールをホールドするスポーツに特有の指標だろう。
ラグビー、ホッケー、ハンドボール、バスケといった球を取り合う競技はそれを支配している時間が
長いほど、得点をあげる可能性を高くする。
それに対して野球やテニスはボールを取り合わず、保持せず、解き放つ。
これはちょうどボールを取り合う競技のシュートと同じだ。
バレーボールもポゼッションがあると言ってもいいだろう。
野球だけ特別というのはこのボールを保持している、つまり支配しているのは守りの時だということだ。
ボールを支配することで得点確率を上げ、得点するには攻めるということだから
ボール保持は攻めなのに、野球だけボール支配は守りの姿勢なのだ。
ピッチャーがボールを放つことから基本はじまる野球は主導権が守り側にあり、ボールに意志を込めるのを
守っている方が行うという特殊性がある。
ポゼッションがないテニスでさえ、ラリーをコントロールするのは攻めている側だ。
野球はボールを長く持っているのは守っている側だ。
というより攻めるチームは全くボールに触れない。
バットにだけ一瞬触っていいよ、というルールだ。
守っている側のボールの操作によって打者も走者も対策する。
ピッチャーの配球によって打ち方を考え、守備陣のフォーメーションや走力や肩によって
走塁を決める。
ピッチャーは守りの一番の武器であるという位置づけだが、ピッチャーは自分の意志を
球に込めて、自由に持てる技術を発揮する時間を与えられているので、他の競技から見れば
攻めだろう。