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ピッチャーは0点に抑えているのではなく攻めている 野球におけるボールポゼッションⅡ

サッカーの実力を示すポゼッション。

日本はドイツ戦、ポゼッションで負けていたのに試合には勝った。

逆にコスタリカ戦はポゼッションで勝ったのに試合には敗けた。

 

ポゼッションとはボール支配率であり、ボールを保持している時間が長いことを言う。

このボール保持について野球だけ特別な行為がある。

他のスポーツには共通しているのに野球だけ逆の行為になるのだ。

2022-11-24 野球におけるボールポゼッション

 

ボールを支配している率が高いほど、ゲームをコントロールしているということが言え、

それは相手を押している、という解釈が成り立つ。

このようにポゼッションという概念が発生するのはボールをホールドするスポーツに特有の指標だろう。

ラグビー、ホッケー、ハンドボール、バスケといった球を取り合う競技はそれを支配している時間が

長いほど、得点をあげる可能性を高くする。

 

それに対して野球やテニスはボールを取り合わず、保持せず、解き放つ。

これはちょうどボールを取り合う競技のシュートと同じだ。

バレーボールもポゼッションがあると言ってもいいだろう。

 

野球だけ特別というのはこのボールを保持している、つまり支配しているのは守りの時だということだ。

ボールを支配することで得点確率を上げ、得点するには攻めるということだから

ボール保持は攻めなのに、野球だけボール支配は守りの姿勢なのだ。

ピッチャーがボールを放つことから基本はじまる野球は主導権が守り側にあり、ボールに意志を込めるのを

守っている方が行うという特殊性がある。

ポゼッションがないテニスでさえ、ラリーをコントロールするのは攻めている側だ。

 

野球はボールを長く持っているのは守っている側だ。

というより攻めるチームは全くボールに触れない。

バットにだけ一瞬触っていいよ、というルールだ。

守っている側のボールの操作によって打者も走者も対策する。

 

ピッチャーの配球によって打ち方を考え、守備陣のフォーメーションや走力や肩によって

走塁を決める。

 

ピッチャーは守りの一番の武器であるという位置づけだが、ピッチャーは自分の意志を

球に込めて、自由に持てる技術を発揮する時間を与えられているので、他の競技から見れば

攻めだろう。

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