盗みという言い方をすれば、それは悪いことだ。
読みと言えば、逆に心理戦の様相を呈する。
だからサイン盗みに分類されるものが悪く、サイン読みはしてもよい、という判断に
なろうか。
試合中に戦略をチームで統一するのにいちいち話し合って決めていては時間がかかる。
とは言え大きな声で皆に聞こえるようにしていては相手にわかってしまう。
だから遠くから、プレーヤーに考えを一致させられるサインという手段が選ばれる。
この際、やはり相手にわかってしまわないように複雑なものにする。
そもそもサインを複雑にし、相手にわからないようにしているのは読まれたら困るからだ。
これをサイン盗みとしたら、ブロックサインなどに代表する複雑な組み合わせで
時間をかけるものすらいらなくなり、作戦伝達時、相手側は目を伏せるとかにして、
見ること自体が不作法ということになる。
一昔前は相手の作戦や意思を読み、味方に伝えるのは高度な戦術だった。
今は、ランナーからの伝達やコーチからの伝達は制限される。
制限がかかるのは、放っておくと横行するからどこかで歯止めを利かすためだ。
複雑なブロックサインを見破るのはサイン読みとしてよし、機械を使って相手から
情報を得ようとするのはサイン盗みとしてダメ、ということになるのだろう。
盗みに分類されるものは盗聴や撮影、金銭を用いて敵チームから情報を得る、といったところだろう。
現場で展開される伝達行為を生で見て、状況を鑑みながら相手の戦略を読み解くことは
盗みに分類されない。


