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日本の野球システム 高野連もいいことがいっぱいⅢ

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前回は、3年に及ぶ小松大谷と星稜の雪辱ドラマを記した。

その内容はコチラ 2017年2月17日

この雪辱のドラマで思い出されるのは、2012年から3年に及ぶ神奈川大会。

 

神奈川には桐光学園・松井祐樹が君臨していた。

神奈川の横綱・横浜高校は、松井が2年の時、準々決勝で敗れ、甲子園出場を阻まれた。

桐光学園はそれまで横綱・横浜高校にはなかなか勝てないでいた。

そこで大エース・松井が入学し、6年ぶりの勝利になった。

 

その松井は甲子園で22奪三振をはじめ、三振の山を築き、一躍、全国区のスターになった。

松井が2年生のこの神奈川大会で初めて観たが、上背がないので、

さほど威力は感じなかったものの、神奈川の強打者が松井の真っ直ぐとスライダーに

バットがくるくる回る。

これは注目のピッチャーだと思ったものだ。

 

そしてスターとなった松井に雪辱を果たすべく、

横綱・横浜は翌年、またしても準々決勝で桐光学園と相まみえる。

 

この時の横浜高校のメンバーはレギュラーに8人が2年生という布陣で、

3年生のレギュラーはキャプテンの一人だった。

前年2年生だった松井に敗れた横浜が2年生主体のチームで3年生になった松井を倒しに来たのだ。

これも、高校野球が紡ぐ輪廻でおもしろい。

 

打倒・松井に研究を重ねた横浜が2本のホームランを含む4得点で松井を破り、

その勢いで甲子園出場を決めた。

この時の2本のホームランを打ったのが、

現・日ハムの浅間と同じく日ハムで、兄貴もプロ野球選手の高濱だ。

この時、浅間はホームランを打つと塁を回りながら大いなる咆哮を見せた。

それだけ、打倒・松井に執念を燃やしていたことがわかる。

さらにこの因縁は翌年にもつづく。

 

松井に雪辱を果たした横綱・横浜高校も松井に当たる前に

神奈川のもう一方の横綱・東海大相模と対戦し、破っている。

 

その東海大相模が2年生レギュラー8人の横浜高校に敗れたことで、翌年、執念を見せるのだ。

2年生松井に敗れた横浜が、2年生主体で松井を破り、その前に2年生軍団に敗れた

東海大相模は屈辱を感じたのだろうか、目標は、甲子園出場より横浜高校を破ることとなった。

 

神奈川代表はそのまま全国でも優勝候補になる。

それでも、目標は、甲子園出場でも全国制覇でもなく、横浜高校に勝つことなのだ。

 

公式戦で2年生8人の横浜高校に負けて以来、横浜高校に勝つことを意識して、冬を超え、

夏の1戦に賭けてきた。

 

前年がレギュラー8人2年生だったのだから今夏、そのレギュラーメンバーがそのまま残るわけで

さらに手ごわいチームになっているだろうと予想できる。

そして、敗れた東海大相模の3年生は引退することになり、引き継いだ後輩たちは、

さらにパワーアップしてくるにちがいない横浜に勝たなければならない。

 

そして準決勝でぶつかったこの神奈川横綱対決に東海大相模は勝ち、

選手は目標を成就し泣きつくした。

予選こそ高校野球という所以だ。

 

神奈川は予選を突破するのが大変だ。

公立高校も上位に食い込み、監督同士も因縁があり、中学生の引き抜きや情報合戦といった

水面下の戦いが、夏の1戦に影響を及ぼす。

 

小松大谷と星稜の3年に及ぶ因縁、そして神奈川の3年にも及ぶ雪辱合戦。

高校野球が紡ぐ最高のドラマ。

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