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盗塁という作戦を躊躇するプロの事情

昨日からのつづきを展開する。

ランナーはピッチャーが動いてからしかスタートを切ることができないので、主導権は

バッテリーにあり、盗塁は基本的にはバッテリーが勝つ仕組みになっている。

バッテリーが練習通り、イメージ通り決めさえすれば、盗塁は成功できない。

2018-12-3 盗塁は基本的にはバッテリーが勝つ仕組み

 

しかし、キャッチャーの数字とされる盗塁阻止率は5割を超えることはまずない。

日本シリーズで6連続盗塁阻止のシリーズ記録としてMVPの甲斐キャノンでさえ5割を切る。

5割以上成功する作戦なら、3割成功すれば優秀である打つ行為より、どんどんとるべき作戦に思える。

 

それでも、盗塁という作戦を頻繁に見せないのは、プロならではの事情がある。

野球は興行として、人々が喜ぶことを考えてしまう。

勝つことだけを考えればいいアマチュアとは別の世界があり、客の目、ファンの目を意識する。

 

今の常識として野球選手のスターは?高額年俸選手は?という問いに、野手なら打棒の優れた選手

ということになる。

スターの系譜を見ても、バッティングで優れた成績を残さずしてスターになった選手はいない。

つまり、野球は打つということが華と捉えられ、打つことがファンを喜ばせると信じられている。

そして、ファンもそういう目で野球を観ている。応援歌はかっとばせー!だ。

 

そこで、ベンチとしては盗塁という作戦はとりづらくなる。

もし、失敗したら監督の無能ということになってしまう。

片や、打たせておけば、監督の采配ミスというより、選手個人が失敗したという目で見てもらえる。

選手も打てなかったことを人のせいにするという発想はない。

自分の技術不足やミスショットとして振り返る。ファンもあいつはチャンスに弱いなーとか、

あいつは今、調子悪いなー。といった目で選手個人を見つめる。

ベンチとしては非難を免れやすいので、5割以上の成功確率をもつ盗塁より

3割の成功確率しかない、打つという作戦を優先する場面が出てくるのだ。

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