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星稜と小松大谷の3年に渡る夏のドラマ

過去の数奇の夏のドラマを振り返りたい。

2020-8-31 行ってしまった球児の夏

 

2014年夏、余りにも有名な9回8点差をひっくり返し、優勝を決めた星稜。

決勝でなければ、8点差の時点でコールドとなり、小松大谷が勝っていたところだ。

決勝のみコールドがなく、このドラマが生まれたわけだ。

 

この時、星稜の7点目となる1,3塁からの内野ゴロはゲッツーか、とも思える微妙なタイミングがセーフ判定。

8点目となるヒットに3塁を狙った1塁ランナーのタッチプレーも微妙なタイミング。

コールドの件と言い、勝負というものは、ちょっとしたわずかな差が結果を大きく変える。

すると、今度は大逆転を喫した同じ相手に、2015年、小松大谷が9回3点差を逆転サヨナラでやり返す。

前年、味わった8点差をひっくり返されるという屈辱をその時マウンドにいた2年生・木村がエースとなり、

先輩の分まで意地をみせた。

 

小松大谷は、悔しさを忘れない様、8点差逆転負けの新聞見出しを練習場に掲げ、

雪辱を期していたそうだ。

 

さらに3年連続の顔合わせとなった2016年は6点差を追う小松大谷が9回に反撃、2点を返し、

またか、と思わせるドラマは8-4で星稜が逃げ切り、前年の雪辱をここでも果たした。

 

高校野球は、毎年、メンバーが全く変わっているのにこの闘いは、ドラマと言うしかない。

先輩、後輩が紡ぐ高校野球だからこそ、100年を越える重みと牙城。

 

神奈川にも3年に及ぶドラマがあった。

2012年、神奈川には桐光学園・松井祐樹が君臨していた。

神奈川の横綱・横浜高校は、松井が2年の時、準々決勝で敗れ、甲子園出場を阻まれた。

桐光学園はそれまで横綱・横浜高校にはなかなか勝てないでいたが、

そこへ大エース・松井が戦力として加わったことで、6年ぶりに横浜を下したのだ。

 

松井が2年生のこの神奈川大会では、上背がなく、さほど威力があるようには見えなかったものの、

神奈川の強打者が松井の真っ直ぐとスライダーにバットが当たらない。

これは注目のピッチャーだと印象付ける。

その後、松井は甲子園で22奪三振をはじめ、三振の山を築き、一躍、全国区のスターになった。

そしてスターとなった松井に雪辱を果たすべく、横綱・横浜は翌年、またしても準々決勝で桐光学園と相まみえる。

この時の横浜高校のメンバーはレギュラーに8人が2年生という布陣で、

3年生のレギュラーはキャプテンの一人だった。

前年2年生だった松井に敗れた横浜が2年生主体のチームで3年生になった松井を倒しに来たのだ。

これも、高校野球が紡ぐ輪廻でおもしろい。

明日へ。

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