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職業監督は球数制限に縛られる

一昨日から監督のコメントを拾い、その意味を考えてみた。

2021-8-25 監督のコメントはどこまで正直か

2021-8-26 高校野球 職業監督

 

かの有名な松井、5打席連続敬遠を演出したのも馬淵監督だった。

松井を5打席歩かせた明徳・馬淵監督はこの時の作戦は後に回顧しても間違っていないと数年前にある記事で目にした。

それは勝負に徹することも教育だからというものだ。

 

教育とは言え、その定義はない。

人生にはさまざまなことが起きるのでどんな方法や結果でも、教育と言ってしまえば

どれも教育だ。

勝負に徹することも教育だ、と言っても本当にその時それを教育の一環と思っていたか。

 

高校野球は高校の部活動であるので教育の一環であることは間違いない。

高校の部活動を離れて、例えばクラブチームによったりすれば、同時に教育というお題目からは

離れることになる。

しかし、やることは大して変わらないだろう。

どちらも野球を一生懸命やる、ということに変わりはないはずだ。

したがい、勝負することも教育という解釈をするものの、選手たちは教育を意識して活動をしていない。

勝負している。それは目の前の敵に勝つということを目的としている。

 

準々決勝を決めた試合後のインタビューで馬淵監督に

「代木君は今日完封しています。そのあたりどう考えますか?」

という問いには即座に

「球数制限は優勝戦線行くようなチームが考えることで、ウチらは一戦、一戦」

と即座に答えた。

いかにも職業監督らしい返答だと思ったものだ。

インタビューアーの意図は球数制限についてもあるが、それより球数が重なったら

エースの使い方はどうなるか、ということを聞いたように聞こえた。

つまり、球数を重ねたエースを次からは無理強いできないのでは、ということだ。

そもそも、球数を重ねたり、連投したりではベストピッチができないし、エースの体のことを考えるのであれば

交代の決断もあるのではという意図もあったのでは。

ところが馬淵監督の頭にはエースの体調よりルールの方に頭が行っているわけだ。

勝つことだけを考えているという印象を持った。

教育者というよりは職業監督だ。松井敬遠も職業監督ならでは。

とは言え、次戦はその完投したエースは先発ではなかった。

相手を見ての戦略かもしれないが、監督の本音はどこにあるかわからない。

 

球数制限というのは本来、体を慮った制度だ。

縛るための制度ではない。

これを縛られたと捉えているような発言に受けとれた。

ルールで縛ったのはそんなに使わないでね、体を大切にしてね、というメッセージだ。

それを束縛としかとらえていないように思われる。

高野連の強権であり、それには従わなければいけない高校部活動の高校野球のジレンマが吐露されていた。

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