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変化球待ちのまっすぐ打ちⅡ

前回私は、経験のないスライダーに遭遇した。と記した。

変化球待ちのまっすぐ打ち

 

変化球は大きく、たくさん曲がるのがいい変化球というわけではない。

かと言って

大きく曲げる変化球が悪いわけでもない。

 

たとえば大きく曲がるカーブ。

打者がボールと一瞬思った球が、ストライクコースに来れば

打者は見逃すことになる。

 

これによりカウントを稼ぐことができたり、

時には勝負球で三振を奪うこともできる。

 

しかし、

大きな変化球は、ストライクコースからボールに変化するときは

逆に見逃されるケースがある。

 

ストライクと思って打者が打ちに行っても、曲りが大きい分、

体が前に出ながらもバットを止めて

ボールになってしまう可能性があるということ。

 

だから

大きく曲げなくてもいい変化球というのがある。

 

大きく曲げなくて、それでいて良質な変化球は、

他の球と区別がつきにくい変化球のことだ。

 

変化が少なくとも、たとえば真っ直ぐと区別がつかなければ

良質な変化球となる。

 

打者が真っ直ぐと判断し、打ちに行き、捉えたと思ったら

ちょっと変化するのだ。

 

すると打者のバットは止まらず空振りしたり、

内野ゴロになったりする。

 

まさに私がこの間体感したスライダーの空振りそのものだ。

 

この見分けがつかない変化球というのは。

いわゆる切れがいいということ。

 

つまり、

できるだけ打者のミートポイントギリギリで曲がりはじめる感覚を打者に持たせられる変化球のこと。

 

それから

他の球を投げる時と投げ方が変わらないこと。

 

真っ直ぐの腕の振りのように思い切り腕を振られ、

変化させられると、打者は見極められないものだ。

 

少ない変化球のことを最近は

「動かす」

と表現する。

 

打つ瞬間ちょっとだけ軌道を変えるのだ。

 

これにより、内野ゴロを打たせ、少ない球数でアウトを積み重ねる

という投球術。

 

日本は大谷のように球の速い投手がもてはやされる。

そして

投手もきれいな回転(スピードが出る)の球を投げたがる。

 

MLBで活躍した長谷川は日本にいるとき、コーチから

「お前は汚い回転の球やなあ」

と言われ続けたが、渡米すると

「それでいいんだ。グッドピッチ」

と褒められたそう。

 

つまり

北米リーグではいわゆるフォーシームよりツーシームとか汚い回転の球とか

が打者の手元で変化する良い球と称されているのだ。

 

黒田は、日本では速球派の投手だったが、

海外ではフォーシームと呼ばれる真っ直ぐはまず投げない。

 

全ての球を落としたり逃がしたりと動かすのだ。

 

同じく速球派の田中も

最近の投球はまともに真っ直ぐを投げていないように見える。

動かしているのだ。

 

つづく・・・

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