球の出し入れについて前回からのつづき。
前回は、2018-9-21 球の出し入れ ストライクだけで勝負しない技
なぜ、ボール球を使うかは、ストライクだけで勝負しても打たれるから。
ボール球は打ってもヒットにならないから。
ならば、バッターはボール球を打たなければいい。
しかし、手を出してしまう。それが出し入れの技術だ。
例えば、初球、外角へストライクが来た。
バッターは内角を狙っていたから、手を出さない。
しかし、その球筋は1球見たことで頭に入る。そこへ同じコースへ2球目が投じられた。
先ほどの球が頭にあるので今度は打てると判断する。そしてバットを出していくと
そこからボール球に変化する球だった。これによりボール球に空振りや内野ゴロとなっていく。
遠くにあるものの大きさや形の差はわかりづらい。
星の大きさは距離の違いでその差はわからない。
距離がはるかに違うので、大きさが全然ちがうものが同じ大きさに見えてしまう。
バッターにとってピッチャーの近くにある球、つまりバッターから遠くにある球は、
どのくらいのスピードで、どんな球種で向かってきているのか判断しづらい。
わかるのは自分の近くに来た時に、やっと「はえ~。」とか「あっ曲がった。」となるので、
この時は時すでに遅し、や手が思わず出てしまっている、という状態になる。
こうして、ボール球にも手を出していく。
同じ軌道で同じに見えるフォームで投げると効果が出る。
同じ軌道から内、外、下へと変化させるのだ。
今夏の神奈川で躍進した星槎国際の石橋がこのような出し入れができるピッチャーだった。
ボールをボールとして意図して投げる。
ストライクを投げようとして思い切り投げたのだけれど、ボールになってしまい、
でも球の威力で空振りを取ることができたというのは出し入れではない。
ファールにさせようと投げ込む。
ボール球をそこへ狙ってわざと投げて、バッターがどんな反応するか。
あーそうなのね。という情報を得て、じゃあここに投げれば振るでしょ。ということができるピッチャーが
出し入れの出来るピッチャー。
また、相手が打ちたいところにワザと投げてやる。
打ち気満々のバッターはよしっと振りに行き、そこからその軌道でボールにして振らせる。打ち取る。
一昨年夏、木更津総合の早川がそういうピッチャーだった。
石橋と早川は似たピッチャーだった。
対して1年生の頃から大物として注目されている横浜・及川は球があばれる。
暴れるとは要はコントロールが悪いことを言い、投げようとするコースに中々行かないピッチャーだ。
それでも球威で抑えていってしまう。
及川クラスの球威なら、高校生相手だとストライクだけ投げていてもそうそう打たれはしない。
コントロールは今後必要になってくるが、今はこれでいい。
体の成長と一緒に球威を磨くピッチングスタイルを続けた方がいい。
体の成長が止まってから、出し入れを覚えればいい。
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