イチロー直伝とされる、2塁駆け抜けにより、大事な和歌山決勝で日頃の練習の成果を発揮した智辯和歌山。
そのスライディングについて深掘りする。
2021-9-1 2塁駆け抜けの秘策 滑り込みは減速する行為 智辯和歌山
昔は、スライディングはケツで滑りなさいという教えだった。
それは、ケツで滑った方が速く、長く滑っていられるから。
ひざよりはケツで滑った方が速いと考えられるが、ケツはひざより地面から遠いので着地まで時間がかかる。
だから膝を使って、滑るというより、ギリギリで止まるために膝でストップさせるようなイメージともとれる。
それからケツは肉厚があるので痛くなく、ケガがしにくいから。
だから、スライディングパンツはケツを保護するように作られている。
スライディングはケツを使うでしょ、という発想なわけだ。
その認識が変わった。
それは、スライディングは減速行為だからということが理由だ。
智辯和歌山に赴いたイチローもスライディングは遠くからはダメで、スライディングできるギリギリの距離と指導した。
走り抜けた方が速いのだが、際どいタイミングの時、2塁、3塁でオーバーランをしてはアウトになってしまう。
ベースでピタリ止まらなければならない。
スピードに乗ったままベース上でピタリ止まるのは不可能なので減速しなければいけない。
立ったままスピードを緩めると減速の量が大きくなってしまうのでスライディングという方法をとり、なるべく減速を少なくしてベースの上で止まるようにしているのだ。
つまり、スライディングは減速する行為だということ。
それならば、減速行為であるスライディングの距離を長くしたら、それだけ減速期間が長くなり、
ベースへの到達が遅いということになる。
だから今は、なるべくケツで長くすべるのではなく、できるだけベースの近くまでスピードに乗った状態を維持して
ギリギリのところで膝を使ってベースごと刈り取るようなイメージでスライディングをする。
こうすると減速期間を短くでき、ベース到達が最も速くなるという考え方。
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