今夏、快進撃を見せたとされるおかやま山陽高校。
当初の目標を3回戦進出だか3勝としていたところ、日大山形、大垣日大、日大三を撃破し、
日大キラーとして目標を達成した。
そこで目標をさらに上方修正し、決勝進出としたところ、ベスト8で敗退した。
日大三との戦前、おかやま山陽・堤監督が、チェンジアップは打てない、と
日大三エース・安田の宝刀について発言しているとテレビは伝えていた。
他のメディアではチェンジアップは無視、とも伝えている。
どちらも安田のチェンジアップはすごい、という表現ではあるものの
意図しているところには違いがあるように思われる。
チェンジアップは打てない、と表現した場合、お手上げという意味にとることができる。
チェンジアップは無視、と言った場合、お手上げだから手を出すな、という意味にもとれるが、
それ以上に打つべき球ではないから手を出すな、という意味が大きいと思われる。
監督の意図は無視、だと思われる。
つまり、打つべき球でない、ということ。
それはボール球になるからということだ。
以前、新庄が山本由伸に負けた時、あんな球打てない、と敵軍の将として脱帽していた。
新庄が打てないと言った山本の球はフォークボールのことだ。
球速は151キロを表示していたものだから。
しかし、フォークボールはほとんどがボール球であり、打つ必要のない球だ。
ボール球をヒットにすることは理屈から言って難しい。
打者はボール球を打とうとしていないから。
ボール球を打つバッティング練習をする選手はほぼいない。
ボール球をヒットにするより見逃せ、となるから。
そもそもボールとは悪い球、卑怯な球という側面を持つ。
打てない球を投げるのはダメ、という理由でピッチャーにペナルティを与える。
それはボールカウントをひとつ与えるという罰だ。
四つそろえば、テイクワンベース。
つまり、ボールとは打てない球という定義を言っている。
打者はストライクを打とうと思って、ボール球に手が出てしまう。
その際、ボール球をヒットにするケースもあるが、確率としては極端に低い。
だから、あんな球打てない、ではなく、正確には手が出ちゃうであり、見逃せない、
というのが正しい表現だ。
ボール球だから打てるわけがないのだ。
そして打つ必要がない球だ。
見逃すことこそがナイスバッティングなのだ。
明日へ。