プロの引き際について触れた2016年01月26日の傑作。
2016-1-26 斎藤の早すぎる引退と比較する井端の引き際
もう、時代が過ぎているのに気付かず、続けることに固執するプレーヤーは醜い。
プロの世界は、仕事である以上にエンターテインメントであり、華やかな世界である。
やせ我慢でも強がってでも、かっこつけることが必要だ。
あっさり引退を決めた井端は見事だった。
その理由が、
「ヨシノブより長くやるつもりはない」
というもの。
現役を続けようと思っていた高橋が、引退し、監督受諾の決断をしたことから、
その助けをしようと自らも引退したのだ。
この時、巨人はまだ井端を戦力として考えていた。
高橋と井端は同い年。
この世代で最も有名でスターなのは高橋だ。
実績では上原もいるが、スターという響きで言うと高橋の方にあてはまる。
高橋は、神奈川の名門・桐蔭学園で1年生から3番を打った。
1番は高木大成(西武ドラフト1位)、4番は、副島(ヤクルトドラフト5位)というスター軍団だ。
高橋はその後、慶応に進み、六大学本塁打記録を達成。
巨人ドラフト1位でルーキーイヤーから3割をマークした。
これ以上ない程の絵に描いたような野球エリートだ。
だから、井端は高橋を意識していたのだ。
ちなみに、高橋は新人王を獲得していない。
新人王は大学時代から何度も対戦していた川上が獲得した。
大学時代、川上から打っていた高橋もなぜか、プロに入ってからは川上に抑えられっぱなしだった。
ルーキーイヤーのシーズン終盤、やっと川上から初安打を放ち、それが本塁打だった。
対川上とは、その年22打数1安打だった。
その同学年で常にスターとして輝きを放ってきた高橋をずっと意識していた井端。
井端は東京の名門・堀越から亜細亜大学→中日と進む。
体の小さい井端は、プロで長くやれる確信はなかったろう。
高橋の存在を常に意識していたがために、高橋の大きな決断に対して、2000本安打目前にもかかわらず、
「ヨシノブより長くやるつもりはない」の一心で引退を決めた。
額面通りなら、見事な決断だ。
同じように200勝目前で決断した斉藤も見事だった。
タイガーマスクとBOOWYも突然の引退がレジェンドにした。
惜しまれつつ、辞めることでレジェンドとなっていく。
プロの世界はこれがかっこいい。
時代が過ぎているのに長くやることに固執した駒田、工藤、中村、下柳はその実績にもかかわらず、
寂しい引退を迎え、醜く映ってしまう。