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一流のキャッチャーは、ボール球をストライクに見せようとはしていない 2016年9月14日傑作選

キャッチャーのキャッチングについて記した2016年9月14日の傑作。

キャッチャーのキャッチング技術Ⅲ 2016-9-14

 

キャッチャーは、アンパイアの目をくらますような、そんな行為をする必要はない。

昔からボール球をストライクに見せる技術、いわゆるフレーミングとか言われてきたが、

その必要はないということだ。

 

一流のキャッチャーは、ミットを動かさず、ピタッと止めることに注力する。

結果、キャッチングがうまく見え、ボール球ですらストライクに見えてしまうことになるのだ。

 

そのピタッと止める技術。

なぜ、この技術が求められるか。

その理由は二つある。

 

ひとつが、ストライクの球を確実にストライクと言ってもらうためだ。

キャッチングが下手だったり、捕球をした後ミットが流れてしまったりすると

アンパイアはボールと言いたくなってしまう。

ボール球はそれでもいいが、ストライクかボールか微妙な球を下手なキャッチングで

ボールと言われたり、ストライクなのにボールと言われることを避けたい。

 

特に、ストライクをボールと判定されることほどピッチャーを落胆させることはない。

ボールと判定されればピッチャー不利のカウントになるため、どうしてもピッチャーはストライクをとりたくなる。

また、落胆しているので、次に立て直して良い球を投げることも難しくなる。

そして、痛打→ゲーム不利→敗戦となるのだ。

 

もうひとつの理由はピッチャーを乗せていくためだ。

ボールはボールと判定されていいのだが、そのボール球でさえ、てきとうに捕ると

ピッチャーは、気が抜けてしまう。

 

ピッチャーは、

「あれ、ボールが行っていないのかな」

「調子悪いのかな」

と思ってしまい、さらに

「なんか、今日調子悪いからだめだな」

という思考になりやすい。

だからキャッチャーは、たとえボール球でさえ、気を抜いて捕ることは避けたい。

 

完全なボール球や抜けた球、気が入っていない球をてきとうに捕って、あえて無言の叱咤、

「てめえ、ちゃんと投げろ!」

とピッチャーに伝えることがあるが、ピッチャーが入魂して投じた球がボール球になってしまったものは、

しっかりキャッチングしてやり、いい音をさせ

「大丈夫。今のはボールだったけど、惜しい。お前の球は来ている(生きている)次も入魂の球を投げろ」

と伝えるのだ。

これをされればピッチャーは気持ちよくなり、一所懸命投げようとするのだ。

 

キャッチャーのキャッチングはボール球をストライクに見せる技術はいらず、ミットを動かさず、

ピタッと止め良い球が来ているように見せることが技術。

その結果、キャッチングのうまさによってボール球をストライクと言ってもらえる場合がある。

 

しかし、真の理由はストライクを必ずストライクと言ってもらうためと、ピッチャーの気分を乗せていくため。

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