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練習はうそをつかないのか 野球の‟流れ“の正体Ⅶ番外編

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月曜連載としている野球の‟流れ“の正体についての考察。

前回は、大昔から伝わる野球の常套句を検証してみた。

 

「4番が打てばチームは勝てる」「四球の後のストライクは狙われる」

「代わった野手のところに打球が飛ぶ」「野球は2死から」。

前回の内容はコチラ⇒2017-10-16 大昔から伝わる野球の常套句を検証 野球の‟流れ“の正体Ⅵ

 

他には、「練習はうそをつかない」

これは、野球に限ったことではない。

 

日本の高校スポーツ界では、こういう美辞麗句や感動秘話がもてはやされる。

内容を吟味せず、意味も考えず、このことばを妄信してしまっては、

せっかく一所懸命やったのに、結果が違う、なんてことになりかねない。

そして、思い通りいかない場合、今度は、その過程は必ずその人の糧になっている。

とでも言って、またこれも美化してごまかされそうだ。

 

‟流れ“という概念も実体のないものだが、

「練習はうそをつかない」という根拠のない、実体のない言葉で

歯を食いしばって練習することは、良くない。

選手自身が、実感して信じているのなら良いが、

この言葉を奨励し、上から植え付けるようなことは危険だろう。

言っている方も、経験や実例から確信をもって言っているとは思えない。

‟流れ“のように一般化してしまったから、そうなんだと無邪気に思い込んでいると思われる。

こういった感覚、概念がはびこっているので、すべきこと、やるべき練習を見誤る。

 

野球は、体力が技術を凌駕する。だから、成長期の高校生は、まず、

練習を重ねることに時間を費やすより、体を大きくすることを心掛けることが第一だ。

 

毎日、同じようにノックを受けたり、毎日欠かさず走ったり、

ウェートトレをやったり、バットを振り続けることより、

食べて、5kg体重を増やし、身長を1cm伸ばすことの方が有益だ。

それをやってから、あるいはそちらを優先して技術練習を積み重ねる。体づくりこそ練習。

 

海外で活躍する日本人選手の多くは、大きな外国人にも見劣りしない体格がある。

もともと体が大きいからそれだけの選手になったのではない。もちろん大きい方だったろうが、

目標があるため大きくしたのだ。

プロの世界で通用するために体を大きくしてきた結果なのだ。

大きいことが、成功することの大きな要件。体力が技術を凌駕する。

 

室伏は、全くの野球素人で投げ方は下手くそにもかかわらず、

何年も野球をやってきた多くの人よりも速い球を投げることができた。

 

ボクシングの世界に階級制があるのは、でかい奴には、いくらやっても勝てないからだ。

過酷な減量などという常識が存在するのは、なるべく、体格で相手より勝り、勝ちやすくするためだ。

できるだけ体重を落とした階級で身長有利で戦いたいからに他ならない。体力が技術を凌駕するから。

 

相撲の世界は、モンゴルやヨーロッパの体の大きい力士は、下手くそな相撲で体力にものを言わせ、

出世している。逆に、相撲のうまい遠藤は、体力がないため、出世に時間がかかっている。

子供のころから相撲をやってきて、プロになった日本人が、

体力に勝る彼らにあっという間に抜かされていく。技術なんてあとからでも十分追いつくものであり、

ある程度行ったら進歩しないものだ。

そしてどんなに時間を費やしても、たいして差がつかないもの。短時間で身についてしまうものなのだ。

 

変な、精神教育に惑わされず、現実を理解することだ。歯を食いしばって、練習に明け暮れ、

時間を費やすよりも成長期にしか進歩が望めない、身長を伸ばすという行為を怠らないこと。

そこから、技術の進歩がはじまり、さらに新しい世界が開ける。

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