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野球の‟流れ“の正体は何だろうⅡ

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月曜連載としていたこのテーマ。

1発目は、3週間前だったが、かなり時間が経ち2回目となる。

第1回はコチラ⇒2017-8-28 野球の‟流れ“の正体は何だろう

‟流れ”とはひとつに‟展開”とも言えそうだ。

 

昨年の秋の高校野球神奈川大会決勝、横浜vs慶應を例にとろう。

初回に先制した横浜だったが、すぐにその裏、慶應が追いつく。

さらに2点を追加して慶應が2点リードした。

この失点シーンで セーフのタイミングなのに横浜の外野手は、無理にバックホームして

後ろの走者の進塁を許した。

 

間に合わないことがわかっている場面で刺しに行くことが致命傷となる。

1点をあきらめてでも後ろのランナーを先の塁にやらないということが大事であり、

横浜高校のような力があるチームは、序盤から勝負に行くより点差を離されないことが大事。

1点を惜しむより、1点やってでも追加点をやらないようにすれば、後半に勝負を持ち込める。

どんな状況でも内野の頭の高さに投げ、

カットまで返すことをしないと勝負どころのミスにつながる。

一方的な試合へと導きかねず、追い上げることができないほど

序盤で試合が決まってしまいかねない。

勝負は一つの塁をやらないということ。一つの塁を許すことが、結果、試合の大差につながる。

無茶な返球が許されるのは、サヨナラの場面くらいのものだ。

こういったものが‟展開”だ。ゲームメイクとも言え、勝つために、その瞬間に必要なプレーを選択し、

試合をつくっていく。

 

そして終盤、ワンアウト2,3塁の7回表。ショートゴロの間に同点となる。

この時の慶應ベンチの外野への指示は頭は越されるな。

大きく監督がジェスチャーで指示していた。

内野は中間シフト。同点はいいから大量失点を避ける作戦をとったわけだ。

真正面から勝負を挑んでも勝てる感触があったから同点に追いつかれても

もう一度、勝ち越せると思ったのだろう。この作戦は、セオリーだ。

これも試合の‟展開”から今度は、慶應が選択した守備の陣形とプレーだ。

 

ここからがよーいドンの勝負となった。

すると、また慶應がタイムリーで勝ち越す。

1点もやれなくなった横浜は前進守備を敷くもスクイズでもう1点追加。タイムリーで3点差。

1点もやりたくない状況なのでリスクを背負って内野が前に出たのだ。

これも、試合の‟展開”からの選択。そしてその‟展開”により、得点差が1だったり2だったり、

3になったりする。

 

8回、慶應は、3番増田を迎え3点差あるので

ベンチの外野への指示は先ほどと同じく頭を越されるな。前に落ちるのは仕方ないというもの。

すると三塁横を破るレフト前ヒット、1塁ランナーは、スタートを切っており、

深い外野ゆえに3塁は悠々セーフ。

ノーアウト1,3塁と絶好の場面で4番・万波は内野フライ。

つづく5番福永、6番山崎と凡退。この時、福永はボール球をストライクとされ三振。

山崎は2球目のボール球をストライクとされ、

追い込まれたためボール球に手を出しての凡退だった。

1球のストライク、ボールの判定が勝敗に影響を与えてしまう。

この判定というのも‟展開”を左右する。

この時は、判定によってバッティングを変える必要に迫られてしまった。

 

この試合は、両チームとも関東大会進出を決めている状況での決勝戦だった。

つまりは、勝っても敗けても、この先に大きくは影響しない。

敗けたら甲子園がないというわけでもなく、

勝っても神奈川チャンピオンという称号を手に入れるだけで、

その後の関東大会にまだ勝負が続くというもの。

 

だから、両エースが先発回避した。

しかし、7回には4-4となり、残り少ないイニング数で勝ちに行こうと、

結局両チームがエースをマウンドへあげ、さあここから本当の勝負と、

筋書きがあったかのような神奈川決勝の野球ドラマとなった。

両監督が持てる駒をうまく使い、おもしろいドラマを演出した。

これも、試合の‟展開”によりおもしろいドラマとなったのだ。

点差が離れていれば、エースを登板させず、

敗けてもいいやという戦い方になっていたかもしれない。

 

この野球の‟展開”は、

その状況によりどのようなプレーを選択するかということが大きな要素となる。

その選択による結果を受け、また次の選択も変わってくる。

これが‟展開”であり、実体のない‟流れ”の正体のひとつだ。

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