今日から日本の戦いが始まる。
初戦大谷先発とは、ファンとそれ以上に野球から縁遠い人への訴求も考えての起用だ。
大谷は打者としての起用にとどまる、という見方もあったなかでファンの期待が現実となる
初戦先発は日本全体に盛り上がりを提供する。
栗山の演出は見事だ。
いわゆる強化試合に大谷とダルビッシュは登板していない。
それなのに最後の強化試合は代表選手以外のピッチャーが投げていた。
どうしてそういう使い方なのか、強化というならどこかで投げさせておいた方がよかったのでは、
と不安に思うのだが、体調としては問題ないそうだ。
ただ、相手は中国なので実戦とは言え、練習とさして変わらないからぶっつけでも問題ない。
選手の入れ替えについて先週記してきた。
2023-3-2 WBC一戦必勝の戦略 選手の入れ替え 外れるのは誰だ
日本での準々決勝の後、アメリカに渡る時には選手の入れ替えが可能だ。
勝つことが大命題であるから、そのための最善策をとることが当然であり、選手を入れ替えることが
それにあたるのなら当然、そういう戦略をとる。
だから準々決勝以降、投げる可能性が低くなったり、調子からして使いづらくなったりしたピッチャーは
その時点でお役御免という作戦は大きな構想であり続ける。
だが、チームで力を合わせて優勝を勝ち取ることに意義を見出すことが多い日本人にとって
それまでチームに長く携わってきた選手を放りだすことにさびしさや非情を感じてしまうものだ。
ヌートバーがどういう選手か知らなかった頃は懐疑の見方があったが、実際にその
エピソードや人柄、プレーを知った今ではむしろ心強い武器ととらえ、一緒に優勝したいという
感情がファンの多くに芽生えている。
入れ替えが敢行されるなら、代表と言っても大会通じての代表ではないということだ。
たとえばアメリカにはあの選手がとても有効と思えばその試合だけの代表選手が存在したり、
日本のグラウンドでは効果があるあの選手は東京だけの代表としたり、格下相手の代表、
序盤数試合の代表、後半数試合の代表という選手の特長による代表という戦い方。
プロらしい使い方であり、戦術だ。
大谷のように別次元の選手ならいざ知らず、一人でなにやってもトップという選手はプロの
ハイレベルの中ではなかなかいない。
全員プロだから、適所で誰もマネできない高度な技術を持っている選手が
それぞれいるわけだ。
それを試合の各所で使うだけでなく、相手や場所や状況によって入れ替えることがチーム最適となり得る。
とは言え、そもそもこの発想はアメリカに渡り、一年目となる千賀が頭にあったからの戦略だった。
例えアメリカへ進出しても千賀が参加する見込みはないようだから、おそらくこの戦法は
使わないだろう。