この夏の印象に残った選手を振り返っておこう。

先日は、今井1人を取り上げた。

その内容はコチラ。

 

この場では東京、神奈川の地方大会を取材し、甲子園大会へ至った。

 

東京は、西で八王子が初の戴冠、東は関東一が3度のサヨナラで制した。

その関東一の3度のサヨナラを演出した3番米田、4番佐藤が際立っていた。

堀越戦3番米田がサヨナラホームラン。修徳戦は米田、佐藤の連続ホームランで逆転サヨナラ。

決勝の東亜戦でも1点ビハインドの最終回土壇場で

米田と佐藤が連続ヒットでチャンスを作り、逆転サヨナラ。

この2人が全国でどんなプレーを見せるのか。

関東一高が全国でもその底力、試合巧者ぶり、落ち着いた試合展開をまた見せてくれるか。

とても楽しみにしていた。

佐藤はタイムリーを打ってもニコリともしない。1点取ったくらいで笑っている場合でない。

笑うのは勝ってからだと言わんばかりに厳しい表情を繰り返していた。

キャッチャーらしく先の戦況を見つめているようだ。

しかし、全国の舞台ではこの2人も力が足りない印象だった。

日本代表にも選ばれている初戦の広島新庄・堀の投球についていけていなかった。

米田は東京では、かなりの好打者だが

堀に対してはまったく合っていなく、翻弄され格が違うと思わされるほど。

佐藤は体が小さく、今後苦労するだろう。

お父さんを大会前に亡くしても立派に戦い、今後も野球を続けるそうだ。

 

佐藤がキャッチャーらしい振る舞いをしていたのと同様、東京のキャッチャーでは他に、

二松学舎・今村、帝京・郡、江戸川・熊谷が印象深い。

今村もチームを引っ張る良いキャッチャーだった。強豪チームに名キャッチャーあり。

今村は、1年からマスクをかぶるだけあって、リード許しても冷静に守備陣に指示。

試合を壊さない、後半勝負に持ち込むためのリーダーシップだ。

さらに、ネクストサークルで次打者の今村が自分でタイムをとるシーンもあった。

前を打つ2番打者にハッパをかけ、常にリーダーシップを見せる。

エース・大江には、ランナーに目をやれと合図しているシーンがあり、表情も変えない。

慌てていないプレーぶりだった。

郡は、準々決勝でホームランと2盗塁。

3回戦ではパーフェクトスチールまで決めるセンスを見せている。キャッチャーで足がある珍しいタイプ。

熊谷は、肩の良さが目立った。

東京大会で2塁へもまともに投げられないキャッチャーばかりにがっかりしていたが、

熊谷は1，3塁の場面で3塁ランナーに顔を向け、けん制しながらでも

2塁ベース上へストライク送球ができていた。

この時のスローイングは3塁ランナーに顔を向けたので思い切って2塁方向へステップを

出来ない状態だったが、それでも2塁へ鋭い送球をしていた。

 

東京のピッチャーでは、早大学院柴田の投げっぷりが良かった。

細身で大きくないが、球が速かった。投げっぷりの良さから体の成長とともにまだまだ伸びるピッチャー。

今秋ドラフト候補の東京ガス・山岡の高校時代を思い出した。

柴田は連投の疲れか、最後は球威もコントロールもなくなり創価に延長10回表ホームランを許し

敗れていった。ノーシードの早実と早大学院の早稲田勢が、そろってベスト8敗退してしまい、

2010年の早稲田準決勝の再現ならなかった。

 

公立高校が強かった東東京大会では足立西・秦山、、江戸川・山田。

秦山は、4勝をあげ、初戦では前年ベスト4の篠崎高校を破った。

4回戦では完封しチームをベスト16へ導いた。ベスト16では関東一の前に連投もたたり力尽きた。

秦山は、野球を続けるのだろうか。ぜひ、続けてほしい好投手。

 

江戸川高校は、二松学舎に敗れたが、山田と大江の投げ合いはおもしろかった。

江戸川高校は勝てる試合を落とした。

 

西東京では、東海大菅生の伊藤が見せた日大三高戦でのピッチングは

甲子園でも点を取られない内容だった。

カウントがとれるスプリット、左打者の膝元、右打者の外へ逃げるスライダー。この勝負球は振ってしまう。

伊藤は、決勝戦でレフトへ大飛球を2度放った。

このことから体の強さを感じる選手で今後の進路と成長が楽しみだ。

 

野手では

東海大菅生のショート・田中は体が小さいが、守備は1年生と思えないほどうまい。

緊張する状況でも無駄のないボールさばきを見せていた。

1年生なのに第一シードの菅生で花形ショートを任されていることからも野球センスの良さがわかる。

 

日本ウエルネスの渡部は、立派な体格で2打席連続ホームランを記録するなど話題をつくった。

175センチで100㌔を超える巨体でショートを守ることからも話題になったが、

その動きやストッキングからもわかるふくらはぎから足首にかけての筋肉を見ると、ただの巨漢ではない。

運動能力に長けていると思われる。

渡部は、横浜商大という神奈川の強豪で１年からレギュラーだったものの退部し、転校した選手だそう。

プロを志望しているようで、今後、全国的に有名になる可能性が十分ある。

 

まだまだ、紹介するつもりが、東京だけになってしまった。

まだ、神奈川、埼玉、甲子園で印象に残る選手が紹介できていない・・・