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リクエスト制度は機械を神として納得させる制度

昨日からのつづきとなる。

2020-1-29 ものいいがあれば違うと思っても納得する 野球のものいいはリクエスト制度

 

野球ではものいい制度としてリクエストが導入された。

プレーが行われた直後に1人の審判が出さなきゃいけない判定を、

あらゆる角度からの再生機を専門家がもう一度じっくり見て、検証することで、

真逆の判定に変わってもいいという制度だ。

それまでは長く、審判の権威などと言い、一度出された判定が変わることはほとんどなかったが、

この制度が導入された途端、それらはなかったかのごとく振舞われ、異を唱えることない方法は

機械を神とすることという常識に移ろい、納得する形となった。

判定で大事なのは、真実を告げるというより、納得が行くものにすることと言える。

 

豪栄道と隠岐の海の一番でスロー再生機による判断になった途端、同体取り直しに

反発したテレビ視聴者が多かった。

そういう人達もリアルタイムではそこまで判断できなかった人が多かったはずだ。

そうであれば、四方から見ていた審判の親方が協議して出した結論で納得が行く。

相撲はものいい制度を古くから取り入れており、野球のリクエストより仕組みとしては

遥かに先達だ。

ものいいは、1人の一瞬での判断に任せず、再度、複数でゆっくりと検証するとして、

スロー再生は宣言していないはずだ。

だから、それだけ時間をかけて出した結果なのだから、機械ではそう見えるだけと

捉えればいい。

 

スローではそう見えるのだが、これは外野が文句を言っても、

それは機械に頼ったからこそ言えること。大人数で協議したならそれでいい。

再生機械を駆使する仕組みになっていないということは、機械が神でないとしているということだ。

 

機械によって、ようやくわかったのに、テレビ局側が提供したスロー再生に頼って

誤審だの、ふざけんなだの、こんなことやっていたら相撲から離れるだの、死ねとまで

いきり立って納得しないという人達は機械信奉者なのだろう。

こういう立場の人はスピードガンを奨励し、やたら何キロ投げる、で感動する。

そこに手心が加えられていたり、機械による誤差があったり、などは考慮しない。

 

そもそも再生機はこの審判のために登場したのだろうか。

再生機は白熱した一番、感動するプレーをもう一度見たいという欲求にこたえるために

登場したのではないか。

その競技が繰り出す名プレー、妙技をもう一度楽しむために貢献したのではないか。

明日へ。

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