一昨日は、中日・鈴木、阪神・伊藤というドラフト1位が戦力外になったことを記した。
鈴木にしても、伊藤にしても1軍での実績は乏しい。それでも長くチームは抱えていた。
ようやくこの時期になり、見切りをつけることになった。
ドラフト1位なのでチームとしては、今年こそは、いつかは、と思い期待をかけ
長く抱えるというのは当然と言えば、当然だ。
また、1位指名には多額の投資をしているので回収しなきゃいけないという事情もある。
さらに、1位指名されるような選手をモノにできないと、選手を見抜く球団の能力と育てる球団の能力が
無いという見方を球界にもファンにもされ、いわゆる仕事のできない奴というレッテルを貼られる。
ドラフトで注目選手や金の卵を預かることに決まったコーチは、身が引き締まり、仕事のでかさに
ため息をもらすこともある。
伊藤のように、きっと阪神の中心選手になるだろうと思っていた選手が10年くらいくすぶって
挙句、クビとなるのはなぜなのだろう。
多くの場合はケガのせいなのだが、伊藤はそうでもないようだ。
一番の理由は、プロは能力がある選手だけが集まる場所であり、しかも
その瞬間、フィールドに立っているのは9人だけという制約があるからだ。
しかも守備位置が決まっているので、実質、1枠を争うというような過酷さだ。
元々、能力がある選手だけが集まり、さらに毎日野球だけやっていい環境でさらに実力を伸ばす。
プロに入ってからメキメキ実力を伸ばす選手も多くいて、さらには毎年ニューフェースが
ドラフトから他球団から海外からやって来る。
そして、伊藤のような選手もレギュラーとして使われている選手との差は大したことはない場合がある。
ちょっとの差がレギュラーと控えに分け、レギュラーはずっと試合に出られるので実力を伸ばせる。
控えは出場機会がたまになので、その機会に結果を残さなければいけないので確率は低い。
こうして、その実力が離れていくことになる。
観ている方は、華やかな部分ばかりを知らされるが、ほとんどが日の目を見ず、不遇な野球人生と感じて
退出していく。
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