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お金をかける決断で選手を集め格差が広がる球数制限 チームづくりの根本が変わる

高校野球で叫ばれる課題について記した内容は過去3回

2018-8-23 吉田投げすぎ問題 毎年問題になりながら手を加えられないまま100年

2018-8-24 能力あるピッチャーは必ず壊れる宿命 ダルビッシュと大谷が投手生命の危機

2018-8-27 甲子園投げすぎ問題 球数制限に二の足を踏む理由

 

昨日からのつづきで球数制限が導入されない理由を記そう。

 

ハナから全国を見据えているようなチームは、高校野球をビジネスと捉える。

選手、指導者、バックアップ人数、設備、施設と予算をかけることで環境を整えて強くする。

高校野球ビジネスだ。

 

高校野球を強くするには、というより団体スポーツを強くするにはお金をかけるのだ。

お金をかけられる判断をした学校は環境を変えることで差をつける。

差がないのは同じ高校生というだけ。

 

公立高校や中堅強豪校は高校生活の中の部活動という位置づけだろうが、

私立の名門は、部活動などという表現ではあてはまらないプロ養成機関や野球専門学校となる。

 

ここへ、球数制限をどのチームにも同じ条件で取り入れると、選手を集められないチームが

勝ち抜くことは難しくなる。

一方、本人も周りもピッチャーの才能に気づかなかった選手がピッチャーを志し、

驚くほどの成長をするという産物が期待できる。

 

だが、勝ち抜くには元々、能力のある選手を集めて

豊富な投手力を誇るチームが有利になることは間違いない。

野球に力をいれる判断がとれる強豪、名門は投手力充実のチーム作りの舵が取りやすい。

今夏は、日大三、近江、木更津総合、大阪桐蔭、星稜あたりはエース級を何枚も擁した。

 

これにより、常に話題に上る越境入学など選手集めに拍車がかかる。

ピッチャーの枚数が今より数段必要になるから

さらにお金を投資するという決断ができる学校が選手を集め格差が広がることになる。

予算を割けるチームには勝てなくなり、毎年代表校の顔ぶれが変わらなくなるだろう。

 

そうなるといい選手がバラけなくなるかもしれない。

すると全体のレベルが上がりにくくなり、日本の野球レベル自体が停滞をするかもしれない。

投手の球数制限は、チームづくりの根本が変わるということだ。

 

高校は生徒を集める自由がある。生徒も学校を選ぶ自由がある。

一方で、越境入学を否定する理由は、

横一線で戦う無償のアマチュアに格差が広がるという不平等を嫌うから。

球数制限は、ここを憂う人が執行側にいるのだろう。

勝ちを目指す高校生の自由を規制するという。

また、一生懸命やり、精神と体力の向上という高校スポーツの目的を一部、阻害することにもなる。

また、明日へ。

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