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打者のサイズに球場の大きさが合っていない

2回にわたってフィールドを広くしてフェンスを低くする野球について記してきた。

2021-10-21 ホームランが多く出る方がファンは喜ぶという錯覚

2021-10-22 スタンドなどなくどこまでも野手が追いかける野球

 

球場はだいたい打席から100メートルさきくらいにフェンスがあることになる。

もうそこまで飛ばせば、打者の完勝ということで無条件に四つのベースを周っていい、

すなわちホームランということで得点を認めてあげましょう、というのがホームランというルールであり、

100メートル先にフェンスを設けた理由だろう。

 

フェンスなどなくても100メートル先はホームランとしてもいいのだが、フェンスを設けて

客席にし、多くの人に見られる造りにし、するとフィールドの攻防は両翼から最深部のセンターまでで

100メートルから120メートルくらい。

この中でフィールドのプレーを楽しみなさい、というのが野球ということになった。

 

たとえばフェンスを設けなかったらどうなるだろう。

外野手は3人として遠くに飛んだ打球をどこまでも追いかけるものとした場合、200メートル先に守っていても

飛んでこないから、まあ100メートルあたりを守ることになるのか。

すると前に落ちる打球が増えるがワンヒットならいいという守り方になるか。

ところが結構前へのヒットが多い傾向となり、実は前に落ちる打球の方が失点につながるということがわかった。

じゃあ、もうちょっと前を守ろう。

と、こんどは、130メートルまで飛んだ打球は追いつけないことになる。

そして転がった打球を拾いに行ってもどうせ間に合わないから、やっぱりフェンスを設けた方がいい、

という発想になるだろう。

ところが選手の身体はどんどん大きくなり、ただの外野フライが100メートル先まで飛ぶことになった。

 

今年の大谷のホームランは引っ張ったものが極端に増えた印象がある。

逆方向にバカでかいホームランが大谷の特徴だったが、今年は外の球も引っ張ってホームランにしている。

外の球を引っ張ってもホームランになるし、外を泳がされてもライナーでホームランになるし、

泳がされても逆方向にホームランになる。

これは今の打者のサイズに球場が合っていないということが言えそうだ。

 

大谷はカラーバットを振っているかのようにバットが短く、軽そうに見える。

腰がすわったスイングをした打球は打った瞬間ホームランというものばかり。

芯付近に当たった打球に角度がつくとフェンスをギリギリ超えるというものをほとんど見ない印象だ。

栗山が言っていた、

「中距離打者が少年野球のグラウンドで打っている感じ」

という表現に得心する。

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