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プロの状況判断の浅さ

プロのプレーとしてこんなことが起きると記した。

9回2点差以上ある場面でランナーが憤死するというプレーについてだ。

2021-7-8 また起きた 9回2点差以上でのランナー憤死

2021-7-9 プロの最高峰にふさわしい瞬間

 

WBCでの台湾戦、劣勢の9回2死から鳥谷が盗塁したことがあった。

その後、井端のタイムリーで同点。のちに逆転し、薄氷の勝利となった。

国際戦という注目される一戦だったのでこの鳥谷の盗塁は話題になった。

これがペナントレースの1戦だったら、コアなファンと対戦両チームのファン以外話題にならず、

話題になっても一過性のものだ。

 

鳥谷が走ったのは同点のスコアリングポジションに行きたかったからだ。

当時、賭けとも言う声が聞こえ、何かと話題になった。

だが、1戦必勝の国際戦はこういう戦法が必要になってくる。

特に、日本の戦力が低かったあの大会では当然のことだった。

 

そもそも野球の、スポーツの、作戦は全てが賭けだ。状況によって確率が高い作戦を選んでいく。

打率など3割で一流。そしてランナー1塁ということは、打って点を取るなら連打か長打が必要になる。

確率はガクンと落ちる。

だからスコアリングポジションになんとかランナーを置きたいという心理。

また、鳥谷と1塁コーチャーとで、行けるかの打ち合わせを塁上でして、出た答えが行ける、だった。

ということはこの盗塁はむしろ成功確率は高いということになる。

打つよりリスクの低い戦法だったわけだ。

プロのペナントレースは職業だからバッターを優先させる。

国際戦は個人成績などどうでもよく勝つことしか頭にない。

本来の野球という団体競技にあるべき姿なのだ。

 

今回、話題にしていた阪神の9回2死からの走者は2点差なのに3塁を狙って憤死というものだった。

この選手が生きてホームに還ってきたところでもう1点いる。

鳥谷の時とは状況が全く違うわけだ。

この走塁が起きる前日の試合では、フォアボールで出た打者の代走で江越が牽制アウトということがあった。

先頭打者を歩かせており、ストライクをとるのに窮しているピッチャーにうろちょろしての牽制死だった。

そのあと連続フォアボールとなったが、江越がすでに死んでいることで1死1塁となった。

江越が何もしなければ、黙っていても1,2塁を作ることができたのにうろちょろしていたことで

相手にプレッシャーを与える状況を作ることが出来なくなった。

盗塁を狙っていい場面ではあるが、状況をさらに読めば、ストライクに苦労しているピッチャーの時

にやるべきか、やるのだったら牽制死だけはだめ、とプロとしての野球をみせなければいけない。

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