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好走塁はスピードで決まらない

昨日記したのは野球の走塁ルールのおもしろいところで思い切り走ればいいというわけではない、というところ。

野球は一塁へは思い切り走っていいが、その先は間に合うか間に合わないかで決めなければいけない。

ベース毎に区切りがあり、そこまで思い切り走って、また休んで、もしくは突っ切ってを繰り返す。

走者にとってはベースという安全地帯に早くたどりつきたい。

2022-12-15 ホームランには伏線がある

2022-12-20 走塁は27メートル先へ進めるか0メートルかの判断

 

ルールによる走塁のおもしろい現象を3つあげてみよう。

 

まず、ひとつに塁間とひと口に言っても、それぞれで出発点が違う。

打者に関しては右打者だったらベースより後ろからスタートする。

逆に左打者はベース手前からスタートできる。

ベース後ろから、つまり27メートル超のところからスタートすることを義務付けられているのは右打者だけだ。

左打者と走者は常にベースより前にいる。つまり塁間を縮めてスタートできる。

野球最大の理不尽、右打者不利という現象だ。

 

打者は打ったあとすぐに走者へと変貌する。

つまり、一塁への全力疾走がその瞬間始まるはずなのだが、打者は打ったことにしばらく酔うものだ。

不本意の打球なら落ち込み、即座に走ることに気持ちを切り替えられない。

本意の打球なら、その先が気になり、打球の行方に目をやりながら走る。

どちらの場合も打ったあと、すぐに全力疾走には移らないものだ。

すぐに全力疾走するのはセーフティバントをした時くらいか。

この場合は最初から走ることで生き残ることを考えての作戦だから当然だ。

 

そんな打球に酔ってしまう打者とは対照としてランナーは走るためにいる。

リードして塁間を狭めようとしていることからも次の塁へ早く着きたいという意志を持っている。

打者は打つためにおり、走者は走るためにいる、というモチベーションが違うので

走りに移った時の初速が違う。

しかも、右打者はベースのうしろからのスタートだから、これとランナーを比べた場合、

打った直後に数メートルの差ができる。

つまり、走塁と言っても走るスピードで決定されず、そもそも出発点が違うことで

走力がそのまま移動距離の差にならない、という現象になる。

 

そして各塁の位置がいわゆるダイヤモンドを形成していることから、ここでもいる塁によって

走塁が変わってくる。

それは打球の行方により、変わってくるのだ。

明日へ。

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