バッテリーの敢えて逆球に見えるようにする技術。
バッティングではわざと詰まらすというのがある。
2022-9-1 ワザと逆球 観ている者には伝わらないハイレベルの技術
イチローは卓越した技術により、詰まってのヒットが多くあった。
この場合、詰まってのヒットではなく、芯を外してのヒットと言った方がいいか。
それは詰まるというのは芯に当てようとしたのに、打者のタイミングよりピッチャーの球の勢いが勝り、
窮屈なバッティングになった、という時に使う表現だからだ。
そうではなく、イチローは根元に当たっても内野の頭を越し、外野の前に落ちる可能性が残る
打ち方、身体の使い方をしているということだ。
色々な球が来るから、全てを真芯でとらえることは不可能となり、
真芯でとらえられない場合でもヒットにできる引出しを備えている。
実際に、バットは根元から先まで使うべき、と主張していた。
詰まるのは嫌じゃない、という打者は結構いる。
他の球にも対応しなければいけないから詰まることも先に当たることもある。
だから詰まってもいい、という発想に転換し、それによってバッティングに幅を持たせようとしたからだろう。
芯を外しても脚でヒットにしたり、技術を習得することで外野の前に落とす確率を増やすことが出来たりして
芯を外すことが怖くなくなる、嫌じゃなくなる。
だから、いわゆるテキサスヒットを、飛んだところがよかった、とは言えなくなってしまった。
ピッチャーの構えているところとは違うところに行く球を、逆球、抜け球といえなくなったことと一緒だ。
思惑の範疇での成功には自らの技術の発露だから優越感がある。
だから、思い通りの球が、指にかかった球が、わずかベースを外れた場合、ピッチャーは
とってほしいと思う。
逆に抜けた球で三振をとってもどや顔には至らない。
抜け球がストライクコースに行ってボールと言われても納得するものだ。