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桐光・松井と横浜高校の3年に渡る夏のドラマ

過去の数奇の夏のドラマを振り返りたい。

2020-8-31 行ってしまった球児の夏

2020-9-1 星稜と小松大谷の3年に渡る夏のドラマ

 

前回は星稜と小松大谷の3年に及ぶドラマだった。

8点差をひっくり返した時の星稜のエースは今年ロッテでローテーションを守っている岩下。

この試合で6失点しながら、9回の大逆転時にはホームランを放っている。

このドラマを1人で演出したとも言える。

 

前回も触れた神奈川における3年のドラマ。

2012年、神奈川には桐光学園・松井祐樹が君臨していた。

神奈川の横綱・横浜高校は、松井が2年の時、準々決勝で敗れ、甲子園出場を阻まれた。

桐光学園はそれまで横綱・横浜高校にはなかなか勝てないでいたが、松井が大エースとして
加わったことで、6年ぶりに横浜を下した。

松井が2年生のこの神奈川大会で上背がなく、さほど威力があるようには見えなかったものの、

神奈川の強打者が松井の真っ直ぐとスライダーにバットが当たらない。

これは注目のピッチャーだと印象付ける。

その後、松井は甲子園で22奪三振をはじめ、三振の山を築き、一躍、全国区のスターになった。

そしてスターとなった松井に雪辱を果たすべく、横綱・横浜は翌年、

またしても準々決勝で桐光学園と相まみえる。

この時の横浜高校のメンバーはレギュラーに8人が2年生という布陣で、3年生のレギュラーは

キャプテンの一人だった。

前年2年生だった松井に敗れた横浜が2年生主体のチームで3年生になった松井を倒しに来たのだ。

これも、高校野球が紡ぐ輪廻でおもしろい。

ちなみに、松井は1年生の時、決勝で横浜相手に先発している。

そして延長サヨナラで横浜高校が勝ち、甲子園出場している。

つまり、1年生の松井は打倒横浜を2年生で成し遂げ、これに対して横浜が打倒、松井となったのだ。

この松井2年生時、敗れた横浜のエースは現、中日の柳だ。

 

最後の年となった松井はそれまで見せることがなかったチェンジアップを武器に加えてより手強い相手になっていた。

それでも打倒・松井に研究を重ねた横浜は2本のホームランを含む4得点で松井を破り、

その勢いで甲子園出場を決めた。

この時の2本のホームランを打ったのが、現・日ハムの浅間と同じく日ハムで、兄貴もプロ野球選手の高濱。

この時、浅間はホームランを打つと塁を回りながら大いなる咆哮を見せた。

それだけ、打倒・松井に執念を燃やしていたことがわかる。

横綱・横浜のプライドとして、絶対に松井を破ると、研究を重ねたそう。

この時の横浜には相手は松井しか意識していなかったほどだった。

さらにこの因縁は翌年にもつづく。

 

松井に雪辱を果たした横綱・横浜高校も松井に当たる前に神奈川のもう一方の横綱・東海大相模と

対戦し、破っている。

その東海大相模が2年生レギュラー8人の横浜高校に敗れたことで、翌年、執念を見せるのだ。

つづく。

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