チームスポーツとしてあるまじき行為だと自責の念を持った野村はこの件が引退の一因にもなったとされる。
2022-5-18 一人では目標を達成できないチームスポーツ
2022-5-17 野球はチームスポーツ とはいえお金がからむプロは個人の集まり
プロの世界は毎年、何人もクビになり、それに代わって新人入団と補強が行われる。
チームを強くするために行われるこの繰り返しも既存の選手にとっては自身の身に影響するので
嬉しいこととは限らない。
むしろ、喜ばしくないことの方が多いだろう。
出場機会が減ることになり、それは収入が減ることであり、ゆくゆくは仕事を失うことになる。
大概の選手にとって優勝することと、選手生活が長いことだったら野球選手でいることの方が大事なのではないか。
ということは優勝などしなくていいから、選手を補強しないでよ、ということが本音となる。
その分、自分が頑張って優勝できるよう貢献するから、と。
しかも多くの選手が、俺ががんばれば、きっともっともっと実力をあげられてチームのためになると
信じている。
それは、クビになってもトライアウトを受けたり、トレード志願したり、ということからもわかる。
FA元年、最初に行使したのは落合だった。
選手会が勝ち取ったFAを選手会から脱退していた落合がいの一番に利用した。
こうして巨人にやって来た落合を他の選手は歓迎したのだろうか。
駒田は守るところがなくなると、落合が来たことでFA宣言して巨人を抜けた。
FAでチームを去る場合は裏切りという印象をファンに与える。
そのチームを応援しているファンからしたら、「なんだよ、うちのチームで優勝をめざすのが
いやなのかよ、うちのチームでは優勝できないと思っているのかよ、そんなにうちが嫌かよ」
という感情になる。
新井が広島を出る時、涙を流しながら会見していたが、自分から出て行くくせに何で泣いているのか、
多くの人が理解できなかった。
トレードの場合は、その選手の意志じゃないから、今度はその選手の味方をする。
悪者になるのはチームフロントとなる。
ファンはその選手に対して、今までありがとう、と送り出し、対戦でまた本拠地に戻ってくると
拍手や声援で歓迎する。
あなたの意志で俺達を裏切ったわけではないから仕方ないよね、敵になるけど
一緒に頑張ろうねという気持ちだ。
戻った本拠地でヒットを打ったとして、自チームの不利になるにもかかわらず拍手を送ることも
あるくらいだ。