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見逃されがちなワンプレーが勝敗に影響を与えるⅢ

月曜日、火曜日とクライマックスシリーズでのソフトバンク本多の盗塁に対する

日ハムの守備のほころびについて言及した。

その内容はコチラ⇒見逃されがちなワンプレーが勝敗に影響を与える

見逃されがちなワンプレーが勝敗に影響を与えるⅡ

 

その中で、一か八かのギリギリのプレーで日ハムキャッチャー・大野はワンバウンドで送球した。

こういうギリギリのプレーでのワンバウンド送球の技術について今日は検証してみる。

 

内野手が深い打球を処理し、きわどいタイミングの時にワンバウンド送球をする。

 

このワンバウンド送球。

一昔前の少年野球への指導では、捕る側が捕りやすい位置でバウンドさせるよう言っていた。

 

これが、ツーバウンドになればもうちょっと距離を伸ばしてワンバウンドになるように。

ショートバウンドならもっと投げ手側の手前でバウンドさせろと。

 

しかし、捕る側が捕りやすい位置でバウンドさせるとスピードの減速がはげしい。

捕る側が捕りやすいバウンドとは、一度地面についてから、上に上がりきって落ちてくる球

ということだ。

弧を描くことになりスピードははげしく遅くなる。とすると、アウトにできない。

だからこれを避けるためにショートバウンドで投げるのだ。

 

ショートバウンドを投げようとするのではなく、

捕りやすいバウンドでは減速するので、最も減速を少なくするために

ショートバウンドでもかまわないという理屈だ。

 

深い打球を処理し、送球するには力強い最高の送球はできない。

その中で送球するにはショートバウンドでも仕方がないのだ。

 

この時、届かそうとして投げると、深い打球なので体勢が悪く、コントロールがつきにくい。

ここで無理して届かそうとすると暴投になりかねない。

それだけは避けなければいけない。

 

深い打球を処理し、悪い体勢で送球するときは、低く投げることが原則だ。

届かそうと高めに投げると山なりの球となり、これも球が届くまで時間がかかる。

低く投げるのは、悪い体勢の中での最も速いスピードの球を投げるためと

暴投を避けるための2つにある。

 

暴投を避けるのに低い球がいけば、たとえ間に合わなくとも捕る側が、止めることができるからだ。

 

高く逸れてしまえば、捕る側がいくらうまくとも手が届かない。

高いのはノーチャンス、低いのは可能性が残る。ということだ。

セーフティプレーを選択することは、勝負の原則であるため低く投げることが基本となる。

 

したがい、一昔前のワンバウンド送球は捕る側が捕りやすいところでバウンドさせるという指導は、

間違いだったことになる。

 

一昔前はショートバウンドの送球を捕る側が捕球できないと送球した側の

バウンドさせる位置が悪いと、その送球に問題があるという認識の指導だった。

しかし、そもそも手の届く範囲は捕る側の責任だ。

 

送球する側は、深い打球を必死に捕り、悪い体勢で送球しているのだ。

受け捕る側は、ショートバウンドくらいの難しさはフォローしてあげなければいけない。

日頃からその練習をすればいいのだ。

 

高い送球はどうあっても手が届かないのだから送球する側の責任だが、

低く来たら、それがダイレクトであろうとゴロになろうとショートバウンドであろうと受ける側の責任だ。

ショートバウンドの送球に対する捕逸は、受ける側のエラーとなる。

では、このショートバウンドやハーフバウンドの捕り方の技術についてを考察しよう。

それは、明日へ。

 

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