変化球についての連載4回目。
これまでに握りと軌道(変化)について記してきた。
2021-9-24 スライダーとカットボールの違い 変化球は握りと軌道と効果
変化球を決める3つ目の効果について。
変化球は横と下へ変化する。このことによりバットの軌道から逸れることになり、空振りをとったり
芯を外したりして打ち取る。
これらは変化球の軌道だ。
効果とは軌道を外すのではなく、タイミングを外すということだ。
つまり奥行きとも言える。
その代表がチェンジアップだ。
握り方が一番多彩なのがチェンジアップではないか。
サークルチェンジや中指を立てるものなど握り方は全然違うのにチェンジアップと言う。
指を開かないでフォークボールを投げたらフォークボールと同じ変化をしてもフォークボールとは言わない。
それは、フォークは握り方だからだ。
スライダーをスライド回転していないのに同じ軌道を描いてもスライダーとは言わない。
ツーシームを縫い目が2つ現れるだけで進んで行かなければ同じ変化をしてもツーシームではない。
フォークボールの握り方をしていてもチェンジアップの効果、つまりタイミングをずらすために
投げていればチェンジアップと言うピッチャーもいる。
スライド回転していても本人がチェンジアップと言えばそうなるし、ツーシームの場合も
チェンジアップと言ってしまえばチェンジアップだ。
だから効果で名付けた変化球なのだ。最近ではパームボールはなくなったが、指を立てて
投げるチェンジアップは昔で言うパームボールと思っていいだろう。
これらはタイミングを外す効果があるボールであるという共通点がある。
つまり腕を振って遅い球が投げられればいい。
回転や変化の仕方、握りは関係なく、相手が思っているよりボールが来ないで泳いでしまえば
全てチェンジアップ効果として捉えられることになる。
先日のオリンピックのソフトボールで次代を担う若手の左ピッチャーのチェンジアップが効いていた。
効く理由は落ちるのではなく、スピードを殺しているからだ。
遅い球が来るとわかっていれば、どんなに変化してもバットに当てられるし、ボール球だったら見逃せる。
上行って横行って、下行って、スピードが増すなんていうボールはない。
だから速いと思って打ちに行って遅かったという球が有効なのだ。これが効果。
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