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打てないのはフォームのせいでなく、まだ慣れていないから

これまで2度に渡ってフォーム変更やプレースタイル変更に伴う勇気や決意を記した。

2022-10-13 これまでの栄光を捨て、プレースタイルを変える

2022-10-17 フォームは生きもの 変化は進化

 

そしてフォームの変更、つまりやり方の変更はうまくいかなかったときに発想するものだ。

この時はたしかに勇気がいるだろう。

だが、それまで上手く行っていないのだから、変えなければいけない。

したがい、勇気で変えるのではなく、差し迫って変えざるを得ず、だから勇気と言うよりは受け入れだ。

いやいやでも受け入れる。

 

ここで気を付けなければいけないことがある。

入団してから成果が出ない若手には、ここが悪い、あそこが悪い、となっていろいろ注文したくなるものだ。

本人も若いからどうしたらいいのかわからない。

そこで球界の先輩である首脳陣にフォームを指導される。

それで成績が上がっても、それがいい方法だったとは限らないということだ。

 

松井は「4番1000日計画」ということで英才教育が施された。

器用でない松井はフォームにあれこれと手を加えていた。

すると、へんてこでブサイクな打ち方になって行った。

しかし、そもそもの能力があり、何と言っても類まれな飛距離を持っていたので

それでも巨人の主力を打つようになっていった。

 

だが、クリーンアップを打っていた若い頃より、高校から入団直後の方が打ち方は良かった。

つまり、打てなかったのは不慣れだったからだ。

プロのピッチャーやプロの場に慣れていないから成果が上がらなかっただけで、フォームのせいではなく、

そしてフォームをいじったから打てるようになったわけではなかった。

 

高卒の若手には首脳陣は手を入れやすい。

高校からプロへとレベルが極端に上がる世界では、そう簡単には成果は上がらないし、

若いから言うことを聞かせられる。

そこで一軍に定着すると、さもその指導が功を奏したかのようだが、そうでない場合もあるだろう。

これによって俺が変えてやった、俺の指導の賜物、と思っている指導者も多かろう。

そしてこれを売りにして球界を渡っている人も多かろう。

 

だが、一番は慣れだ。

打てないのは慣れていないからだ。

それを実力の不足、技術の不足、やり方の間違い、とだけで捉えては指導を誤り、

本人は方向を誤る。

さらに明日へ。

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