成功確率が低いと見られる盗塁だが、ギャンブルでない場合もある。
2018-12-5 走らなかった場合も盗塁阻止とすれば阻止率は跳ね上がる
2018-12-6 盗塁は試合展開を有利に運ぶために敢行する
WBCで話題になった鳥谷の盗塁。
最終回2死で1点ビハインドの場面。
セオリーとして、リスクを背負って盗塁はしない場面という通念がある。
盗塁を敢行して失敗すれば、そこで試合終了だ。
先に記した通り、野球の攻撃は打つことを主体とされている。
打たせて結果が出なければ、観ている方も納得して、残念がることができる。
走らせて、失敗した場合、なんで走らせるんだと、シラケる結末になる。
だから、リスクが高い場面での盗塁は否定されがちだ。
だが、この場面、1塁にランナーがいて、どうしても同点にしなければいけない。
1塁ランナーを生還させるには、連打か長打が必要だ。
そうなると、確率は極端に低くなる。
それならば、盗塁という選択も十分、作戦としては採用すべきだ。
そしてこの場面、1塁に出た鳥谷にファーストコーチの緒方は走れるぞと伝えた。
国際試合ではファーストランナーコーチがストップウォッチを持っていて、
ピッチャーの牽制や投球を計る。
キャッチャーの送球能力も分析してある。
国際試合は相手との対戦数が少く、情報が足りないので、
こうしてその場で選手の情報を得ようとあらゆる手段をとる。
この一見リスクの高い作戦ともとられがちな盗塁を9回2死1点ビハインドの場面で敢行した。
ストップウォッチに裏付けされた盗塁なのでギャンブルではなく、
むしろ一番確率の高い作戦となったのだ。
盗塁は、状況、相手、情報といったところで実は確率の高い作戦ともなり得る。
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