目標のためのチームづくりはリスクも伴うが、リスクをとらなければ大願は成就できない。
相洋がとった戦略にもリスクはあった。
2021-12-29 高校野球の引退は選手の寿命でなく勝敗と時期が決める
目標によるチームづくりは、そのターゲットを第一にしてしまうため他を捨てるという行為
を伴う事が多い。
二兎は追えないから、一意専心するともろい部分がでてくる。
勝負をするが、他には負けるかも、というリスクを伴うということだ。
相洋高校は東海大相模というトップを目標においた。
日本一にもなろうかというチームを倒すための戦略、人材育成と配置、練習を組み立てれば、
それ以外の強豪には合わず、敗けてしまう可能性がある。
また、そのためのチームづくりをしてきて成功を積み重ねると、それがベストとチーム内に浸透してしまいがちだ。
拘泥してしまうリスクだ。
これもチームの方針で、先発ピッチャーを固定し、早い段階でチームの柱であるエースをロングリリーフに回す。
終盤は必ず2イニングを任されるピッチャーへとつなぐ、といった継投の公式を持ってしまうと
一発勝負の高校野球では1人が思い通り行かなかったら、1イニング足りなかったら、
ひとつのアウトが計算外だったら、ということで思わぬ取りこぼしがあり得る。
それまで培ったチームづくりと、勝ってきたパターンにこだわると危ない。
とは言え臨機応変もその時の勘が外れればもろい。
プロはシーズンという長丁場で一つだけ勝ち星が多ければ優勝だ。
負け試合をつくりながら勝ち星がひとつ多ければいい。
そこでとる戦略としてはエース同士の戦いを避け、勝てる試合をとっていくという戦略をたてる。
今ならCSがあるのでさらに敗けてもいいから、開幕から5割狙いの組み立てをとる。
相洋高校が採用した東海大相模に勝つというターゲット。
トップを目標にとれば、それに勝つチーム作りをすれば、どのチームにも勝てるということも
言えるだろう。
東海大相模をターゲットとすることで、チームの能力を最大にしようとしたのだ。
大は小を兼ねるから、そのための戦略だけを練れば、どこにも勝てるという発想かもしれない。
実際に相洋はこれが成功した。
2020年夏の神奈川決勝、8回までリードした実績は確実に教訓になる。
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