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ギリギリに張りつめるアスリートの体づくりⅢ 野球には速筋繊維

一昨日、昨日のつづきとなる。

2019-7-8 ギリギリに張りつめるアスリートの体づくり

2019-7-9 ギリギリに張りつめるアスリートの体づくりⅡ 短い時間に最大の筋力を使う

 

野球選手特有の体つきとは、まず、でかい体ということだ。

パワーがものをいう野球という競技では、脂肪をもつきようが、体をでかくする。

 

サッカー選手は、1試合の走行距離が10数キロに及ぶほど走る力がいる。

そのため体脂肪率を落とす。

接触プレーがあるので、体のでかさや強さは武器になるが、

それを手に入れるために走るための体を損なっては、

本来必要とされるプレーに支障をきたすので、そこは捨てるところとなる。

野球は、走る能力が損なわれても、パワーを身に着けるプレースタイルを

選ぶ選手は多い。

 

野球選手は1試合の中で本気で走る距離も時間もたかが知れている。

必要なことは短い距離を瞬間的に速く走ること。

そのために必要な体では、長距離を速く走ることはできない。

野球選手で長距離を速いタイムで走ることができる選手はいない。

 

瞬発力を要する野球では、

長距離を走るに適する筋肉より、瞬発力を出す筋肉を持つ者しか一流になれない。

速筋繊維といわれるものだ。

体をでかくする場合もこの筋肉を持つ者がなれる。

野球選手にとって優秀な筋肉、体格は、長距離を走られるようでは、だめなのだ。

 

若い頃、松井稼が、キャンプ中、球場から宿舎まで走って帰る練習を映し出していたが、

とんでもなく遅いとスポーツ番組が伝えていた。

筋肉マンで、バネのある松井は野球選手としては最高だ。脚も速い。

しかし、長い距離は全く駄目なのだ。

今まで、バネがあり足の速い奴を、実際いろいろ見てきたが、共通して長距離は全く駄目だ。

短距離は速いのに、長距離は、誰よりも遅くなる。

 

スポーツ新聞にキャンプ情報で数キロのタイムトライアルの練習を伝える記事があり、

若い選手ばかりで争っているのに、最も優秀な選手のタイムが

運動好きな一般の人よりタイムが遅いということがある。

そういう記事を読んだ日頃から走ることを趣味としているような人たちは

アスリートであるはずの野球選手のタイムの遅さに信じられないという感想をもらす。

高校時代、名門校で厳しい練習をしてきた一流の野球選手が

そんなタイムなのかと信じられないものだ。

 

だが、むしろ長い距離を速く走る野球選手は野球の実力がないことを意味する。

野球選手にとって必要な体は、速筋繊維であり、白身の筋肉であるから

長い距離は速く走ることができないのだ。

 

一方で、野球選手は短い距離は速い。

50メートルから100mくらいの距離なら、サッカー選手よりは

おそらく野球選手の方が速い選手が多いだろう。

100メートルくらいになると、それなりの体の大きさがないと、ゴール付近で

体が浮いてしまい、減速が激しくなる。

陸上100mの選手が筋骨隆々なのは、このためだ。

体重が軽いと体が浮き、減速する。

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