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適切にピースを埋めて行く 選考から采配までずっとヘタⅥ

メキシコ戦の周東の快速が良く取り上げられたが、走塁の基本を大谷と周東がやったから

二人の差がないほど接近した、ということを昨日記した。

その理由はこの場面、大谷は落ちるのを確認してからスタートしてもゆうに間に合うのでハーフェイをとること、

周東は落ちるのを確認することなく走ることが基本の走塁だから。

そして周東は左中間なのでその打球の行方を見ながら走ることができるからということだった。

さらに一塁ランナーを楽にさせる条件がこの状況にはあった。

2023-4-6 選考から采配までずっとヘタ

2023-4-11 選考から采配までずっとヘタⅡ

2023-4-12 先発にこだわる 選考から采配までずっとヘタⅢ

2023-4-13 勝負をかけて動く 選考から采配までずっとヘタⅣ

2023-4-18 周東代走における走塁の基本 選考から采配までずっとヘタⅤ

 

それは、左中間の打球には捕った場合、三塁返球へのカットラインをつくるので

一塁へと球が還ってくることはないということだ。

だから大胆な走塁ができるのだ。

 

もし捕られたとしても二塁をオーバーランした後から戻っても間に合うし、抜ければ

そのままホームまで還って来られるという走塁だ。

 

周東は二塁を周ったところで一瞬、スピードを緩めた。

これは、一塁へも戻れるし、ホームへも間に合うという位置まで来たのでもう一度打球を

確認するためにトップスピードから緩めたのだ。

その後、すぐにまた加速している。

 

対して大谷の走塁はいわゆるハーフウェイから完全に落ちる前にもう捕られることはない、

と判断し、シャッフルという形からスタートを切った。

二塁ベースを蹴って加速している周東は当然、大谷から数メートルの位置にまで来ている。

こうしてホーム生還は大谷のすぐうしろ、という状態になる。

 

もちろん周東だからその差はもっとも縮まるのだが、他のランナーでもこういう現象になる。

そして、走りながら打球を見られる、カットラインも自分のところに還ってくるようにはつくらない、

という条件があれば、周東でなくてもホームインできる状況だった。

 

走塁はうしろから走る選手の方が差を縮めるものだ。

それはどのランナーもホームまで還ることがゴールなので、そこにより近い前のランナーは大胆な走塁を

しなくてもゴールまでたどり着けるからだ。

ホームに近いランナーほど保守的に走ることが基本なのだ。

 

また、走塁に限らず挟殺プレーでも後ろから追いかける守備側が差を詰められる。

それは守備は走りながら、つまり前に体重が乗りながらボールを受け取り、そのままランナーを追いかけられるから。

反対にランナーは一度、ストップして反対へ走り出さなければいけないのでスピードに

乗るまで時間がかかり、その間にボールを持つ守備側の選手に追いつかれタッチされる。

だから挟殺プレーはまず、アウトになるし、ランナーは挟殺は勝てないことが分かっているので

その走塁だけは避けようとする。

 

昔、一塁手田淵がランナー福本をタッチアウトにしているシーンがあった。

がんばれタブチくんに象徴されるよう鈍足の田淵が日本一の盗塁王・福本に脚で

追いつくということだ。

これが走塁というもの。

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