毎日野球コラム - 野球コラムサイト -

二度と来ない瞬間、ドラフト直前、長距離砲誕生、勝てない鍛錬など今週のダイジェスト

2016.10.10高校野球、この瞬間は二度と来ない。 

高校野球は、プロから注目されるほどの実力者も高校生活の青春の1ページでやっている野球好きも同じ限られた時間の中で活動するという制約がある。そして、地元のチームを応援し、因縁のあるチームや選手を応援する。この郷土愛を国力につなげられないものか。ここまでの情熱をここで一旦断絶して次のステップに行きましょうとするのは惜しい。さらに野球に情熱を燃やせる環境が増えることを望むし、または、この情熱をいつまでも忘れないで、別のことに移せるよう、うまく流れができ、仕組みができないものかと希望する。この情熱を断絶し、一線を引くことはあまりに惜しい。

 

 

2016.10.11高校野球、この瞬間は二度と来ない。Ⅱ

そしてその人間としての成長が野球の技術向上にも生きてくる。今まで一所懸命やってきたのにいきなり終わりを告げられるその人生最上級の虚脱感、脱力感は、その選手のこれからの糧になる。たった2年数か月の出来事なのに、この高校野球という共通の話題を、同じ時間を過ごした人と話しても、そうでない違う世代の人と話しても、話題は尽きることなく一生語り合える。それだけ、濃い時間であり、人生に必ず影響を与える。財産となる。高校生という枠組みにこの仕組みをあてはめたことが、予期せず、大きなうねりとなった。野球を志した先輩の所業を継いできた100年間の選手たちのおかげで大きな文化に発展した。

 

 

2016.10.12ドラフト直前。広島新庄・堀は最初からトップクラスのピッチャー

堀は体格に恵まれていないので、プロで活躍できるかはわからない。ドラフトという目で見れば、1位や目玉という立場にはならないということにはなってしまう。だが、高校球界においてはトップクラスの実力であり、この記事の書き方だと甲子園でのピッチングは大したことがない印象を与えてしまう。そんな目で堀の評価を勝手に決められ、誤解が生まれては迷惑だ。国際戦で華々しい活躍をしてやっと評価を与えているようでは、実力のある選手が埋もれてしまい、かわいそうであり、野球を楽しもうとする人たちにちゃんとした情報が届かない。

MLBの野球は三振でもかまわないという考えでツーストライクからでも振り回す。ホームランを打たなきゃ儲からないとばかりに、かまわず振るのだ。そうしないとそもそも使ってもらえない、クビになっちまうという認識が大きいからだ。ダルビッシュの奪三振が多いのはそれが理由。振ることが許されているのは、他の選手も振るからみんなが振ってその中で何人かが当たって点を獲れば試合になるという発想の戦略なのだ。振り回す奴らの中で、本数が稼げる9人を並べて打線を組む。ひと試合、みんなで振り回して三振二桁。バットに当たった奴が3、4回。そのホームランで試合に勝つ。という戦略をとってくる。振り回す世界中の強者のほとんどが打つ確率が下がりクビを切られることになり、世界中の強者という、分母がけた違いに多い中でもこれなので、確率でいえばホームラン打者誕生の確率は、日本と変わらないかもしれないと思えるほどだ。世界中から強者が集まるMLBの採用する戦略と効率よく点を獲る方法を考えた日本の戦略のちがいだ。

先日ある会に参加し、そこでこんな発表を聞いた。野球部の取組や戦果を報告している中で野球部の連中が校内で行われた駅伝で好位につけた。というものだった。上位は陸上部が占める中、その次くらいに野球部で構成された数チームがつけたと報告していたのだ。日頃の練習の成果であるがごとく。しかし、長い距離のタイムが良いことが、野球に関しては自慢にはならない。それは、野球が弱いことを露呈しているようなものだ。強いチームは体がでかい。横に広い体つきが要求される。もちろん手を抜いて遅く走ってはなんにもならないが、一所懸命走って遅いのなら運動能力がなくて遅いか、運動能力はあるが、でかくて走れないかのどちらかだ。強いチームの選手は後者となる。野球が強くなるために運動能力の高さは要求されるが、その能力は長い距離を走る能力ではないのだ。体をでかくする行為し、パワーをつけ、強いスイング、強い球、といった基礎能力を伸ばすことは長い距離を走る能力を阻害するものなのだ。野球に長い距離を速く走る場面はない。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

傑作コラム

TOP