10回裏同点の一死一、三塁で頭を越えるフライを捕りに行っても仕方がない。ここはもう、ファールになることに賭けるしかないのだ。ファールになるよう祈るのみ。捕ったところでタッチアップ1点、フェアグラウンドに落ちれば当然、サヨナラヒット。捕りに行けるのはタッチアップ勝負できる位置までに打球が飛んだ時だけだ。
スモールベースボールなどという言い方はいつからできたものか。WBCができてからだろう。野球の国際戦がはじまり、諸外国が展開する野球とは違う戦い方をする日本という意味で誰かがつくった言い方だ。そこには自虐の意味が込められており、体格に劣る日本人は同じ野球はできない、という表現だ。パワーではどうしようもないから技を駆使して抗っているという。
9回裏同点一死二、三塁で内野5人シフト。この時は外野手のところに内野手を交代させた方がいいだろう。外野の一人として起用された選手は内野に入り、5人が前進守備をとった。ファーストはスクイズに備えて極端に前に配置した。そしてレフトをがら空きにした。前進守備かつスクイズに備えるのなら、満塁にした方がよいと思われるが、相手の打順を見ながらそこは判断したのだろう。むしろ相手に満塁よりやりやすい状況にさせてホームで刺しに行ったのかもしれない。こうなると、攻めは外中心になる。打ってきたときに引っ張らせたくないし、スクイズはファーストに捕らせたいから。
2025-9-19 ヒットを打つよりチームが勝つためのバッティングを 再録
自分有利のカウントにできたからこそ、このバッティングができるのでありツーストライクからではこうはならない。カウントによってしっかり状況に応じたバッティングをしていたわけだ。長打をバンバン打つプレースタイルはできなくなったこの頃、打ち方もコンパクトな打ち方で引きつけ軸で打つ打ち方にしていた。バッティングは凡打しても価値ある打席があり、場合によっては、初球をヒットするよりピッチャーにダメージを与えることがある。チームが勝つために、すべきバッティングをし、それを9人でつなげることを打線と言う。


