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イチローが危惧した野球の方向Ⅱ

イチローの誕生日に

2020-10-22 イチローが危惧した野球の方向

と記した木曜連載を記していく。

そのイチローが引退会見で発した、2001年にアメリカに渡ってから引退する年の2019年で

全く違う野球になった、という発言についてだった。

 

頭を使わずにできてしまう野球、と表現した。

頭を使わなければいけない競技なのに、そうじゃなくなってきていることが気持ち悪い、と言い放った。

 

ホームランは野球の華と言われる。確かに華のひとつだ。

ホームランに注目しない人はいないし、野球をやっていればホームランを打ちたいと誰しも思う。

その華であるホームランが出る理由に試合展開があり、ホームランになるようなところに

投げざるを得なかったバッテリーの事情があり、打つ方と守る方の技術と読みと一瞬と間が凝縮されている。

そこを深読みすることがおもしろいのであり、さらにそこを追求すると野球の見方が大いに変わる。

技術と読みと一瞬と間は野球のあらゆるシーンに共通することであり、

野球はどちらが多くホームベースを踏む回数が多いか、というゲームだから

その細かいシーンで塁を奪う攻防に面白さがある。

ホームランもホームベースを踏むためのひとつの手段だ。

 

今は、情報が多く体が大きくなって、遠くに飛ばす方法、速い球を投げる方法が流布している。

中学生でも大人に引けを取らない体でプロ並みの球速を持つ選手がいる。

道具の性能が良くなっているとは言え、高校野球でもホームランが良く出る。

一昔前の高校野球でホームランを武器にするチームはほとんどなかったが、今は

大型チームのホームラン合戦ということも見られるようになった。

大型チームは互いに打つ方法を選択し、あとは僅差の展開なら、ノーアウトで出たランナーを

とりあえずバントで送る程度の作戦しかしない。

どっちが、多く打ったかを競う野球だ。

 

場外へ飛ばす打球を見せられると羨ましいし、それで一気に得点できるので、そんな打球を

見せられると、細かな技を磨いているのが何なのか、野球をやっているのがバカバカしい気持ちにさえ

させられる時がある。

だが、野球のおもしろさはそこだろうか。そういう選手を集めることが本当に強いチームか。

 

以前、誰が9人いれば強いチームか、ということを記したことがある。

結論は1人で点を稼げるイチロー9人が強いとなった。

2018-1-12 続・俺が9人いたら、ぜってー負けねえのに

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