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全ての生活を野球がうまく強くなることだけに費やす一流 文武両道の幻影Ⅳ

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木曜連載としていた文武両道。4回目。

2017-5-11 全ての生活を野球がうまく強くなることだけに費やす一流 文武両道の幻影

2017-5-18 全ての生活を野球がうまく強くなることだけに費やす一流 文武両道の幻影Ⅱ

2017-5-25 全ての生活を野球がうまく強くなることだけに費やす一流 文武両道の幻影Ⅲ

 

21世紀枠という制度で出場したチームは、たいがい甲子園での成績は芳しいものではない。

そりゃそうだ。

その前に地方大会があり、そこで負けたチームが拾い上げられるので

激戦を勝ち抜いてきたチームに力が及ばないのは当たり前だ。

 

東京都立高校として初めてセンバツに出場した小山台高校は、

秋の東京大会でベスト8という成績ながら選出された。

 

初戦でこの大会準優勝となる履正社高校に11点を奪われ、

あわやノーヒットノーランに抑えられるという試合だった。

 

小山台高校のエースは

秋の東京大会を観る限りでは東京NO.1かもしれないというほどの好投手だったが、

日本一の激戦区大阪の代表には歯が立たなかった。

 

小山台高校が選出された理由は、学問にもいそしみ、限られた時間と場所の中で

秋の大会を躍進したからだ。

それでも、所詮は地方大会ベスト8止まりのチームなわけ。

しかも、練習は校庭をフルに使えるときがないほどの環境と時間も1日2時間もできないようなチームだ。

こんなチームに野球漬けの厳しい毎日を送る名門高校が負けるわけにはいかず、

コテンパンにやっつけてしかるべきだ。

 

21世紀枠というのは高校野球が教育の一環という大義名分を掲げているため作られた制度。

しかし

今や高校野球は高校の部活動の対抗戦という位置づけを飛び越えた高校野球ビジネスに発展し、

催し自体も季節の風物詩と日本の文化として一般に根付いてしまっている。

主催者側も参加する側も

野球を通じた人間形成のための部活動などという大義名分を超越した野球ビジネスなのだ。

 

野球ビジネスとなった高校野球は、

一方で教育の一環という大義名分があるため21世紀枠などという制度も存在する。

イチローと松井は類まれな才能によって野球で立身した。

二人とも野球名門校を選択し、そこで名前を売り、プロへの道を切り拓き、今日に至っている。

 

ともにプロへ行くということを意識していたため名門校を選び、

実力を伸ばすため野球漬けの日々を送ったわけだ。

21世紀枠で掲げる学問との両立などハナから無視した行動だ。

 

学校もそういう選手を好み、そういう選手を生み出すことで

学校の価値を上げ、高校野球ファンもそれを楽しむ。

高校野球界は野球漬けの一意専心も

それとは反するいわゆる文武両道もどちらも奨励しているのだ。

 

しかし、

野球をするために高校を選び、野球の実力を伸ばそうとする者、プロを目指そうとする者、

すなわち野球に青春を燃やす者にとっては、学問が教育になるのではなく、

勝負に執念を燃やすことこそが教育になるのだ。

 

勝つためには練習が必要だ。

練習するためには場所、食事、休養といった選手の環境が必要だ。

環境とは周囲の協力のこと。

その協力を受けることで人のつながりを知り、世の中の仕組みを学び、

周りへの配慮の気持ちが芽生えることになる。

したがい精神が育つことになる。

 

野球ひとつに打ち込んだだけでも、教育すべき精神が育つのだから

両道など必要ないということになる。

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