2020-9-2 桐光・松井と横浜高校の3年に渡る夏のドラマ
松井に雪辱を果たした横綱・横浜高校も松井に当たる前に神奈川のもう一方の横綱・東海大相模と
対戦し、破っている。
その東海大相模が2年生レギュラー8人の横浜高校に敗れたことで、翌年、執念を見せるのだ。
2年生松井に敗れた横浜が、2年生主体で松井を破り、その前に2年生軍団に敗れた東海大相模は
屈辱を感じたのだろうか、目標は甲子園出場より横浜高校を破ることとなった。
2年生の松井に敗れた横浜が松井を負かすことを目標にしたように2年生だらけの横浜に負けた
東海大相模が横浜を目標にしたわけだ。
2年生8人の横浜高校に負けて以来、横浜高校に勝つことを意識して、冬を超え、夏の1戦に賭けてきた。
前年がレギュラー8人2年生だったのだから今夏、そのレギュラーメンバーがそのまま残るわけで
さらに手ごわいチームになっているだろうと予想できる。
東海大相模としては、さらにパワーアップしてくるにちがいない横浜に勝たなければならないのだ。
そして準決勝でぶつかったこの神奈川横綱対決に東海大相模は勝ち、選手は目標を成就し泣きつくした。
神奈川代表はそのまま全国でも優勝候補になる。
それは200を超えることもある参加校に支えられるマンモス大会であるため、レベルが高いのだ。
さらに監督同士も因縁があり、中学生の引き抜きや情報合戦といった水面下の戦いが、夏の1戦に影響を及ぼす。
横浜、東海大相模という両横綱を筆頭に、桐光、慶應、桐蔭、横浜隼人、日大藤沢、日大高、平塚学園、
Y校、横浜商大、藤嶺藤沢、など名門があり、その他にも向上、創学館、武相、弥栄、強豪県立も多数いて、
名門、新興、県立の強豪がひしめきあっている。
だから初戦から優勝候補同士という一戦があることも珍しくなく、3回戦くらいから甲子園レベルの
試合が観られるくらいだ。
そんな中でも横浜高校は特別だ。
ベスト8くらいの戦いでも必ずしもベストオーダーを組む必要がない、という戦力を
毎年のように持っている。
そもそもベストオーダーはあるのか、というくらい誰が出てもねじ伏せる勢いを持つ。
神奈川代表は、2009年、横浜隼人が準々決勝で横浜に勝ち代表、
2010年は東海大相模が決勝で横浜に勝ち代表、2011年は横浜高校代表、
2012年は桐光学園が準々決勝で横浜に勝ち代表、2013年は横浜高校代表、
2014年は東海大相模が準決勝で横浜に勝ち代表、2015年も東海大相模が決勝で横浜に勝ち代表、
2016年~2018年が横浜高校代表。
このように、横浜高校か横浜に勝った高校が甲子園に出場するというように横浜を中心に回る。
そして、昨年、準々決勝で高校野球史上に残るジャイアントキリングが起こり、
県立高校の相模原が横浜を破ってしまった。
この県立相模原はその前の年は東海大相模を苦しめ、最後の最後、逆転サヨナラで屈したチームだ。
2009年以来続いていた横浜か横浜に勝ったチームが代表、というジンクスは昨年で途切れた。
高校野球が紡ぐ、伝統のドラマは尽きない。
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