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高校野球に最も期待するドラマが生まれないから

甲子園大会が終わってから、吉田の酷使が話題となり、この場でも球数制限について何度か記した。

そこで、こんな記事を見た。

甲子園で球数制限しない理由は無い!天才と2番手投手の双方に利点アリ。

 

この記事では、今大会、最も注目されたのは吉田であり、国民的支持を得たとまで書いておきながら、

球数制限を薦め、球数制限をしない理由はないとしている。

 

球数制限がルールとされていたら、吉田は注目されていない。

地方大会から通じて、1人で投げ、田舎の高校が吉田1人の力で決勝まで来たから注目されたのだ。

球数制限があったら、金足農は甲子園にすら出られていない可能性がある。

つまり、高校野球に最も期待するドラマが生まれないからという大きな理由を無視して、

理由はないとしている。

 

そして他にも理由はるのだ。

この場では、球数制限しない理由をいくつも記してきた。

球数制限をすれば、エースの負担は確実に減り、肩や肘への負担は確実に減る。

赤の他人でさえ、その投げすぎを憂いている現状で、

それなのに導入されないのには理由はあるに決まっているのだ。

その他にも、大きな理由を4回に渡って記している。

2018-8-24 能力あるピッチャーは必ず壊れる宿命 ダルビッシュと大谷が投手生命の危機

2018-8-27 甲子園投げすぎ問題 球数制限に二の足を踏む理由

2018-8-28 お金をかける決断で選手を集め格差が広がる球数制限 チームづくりの根本が変わる

2018-8-30 俺たちの高校時代の青春の1ページ ほっとけ 球数制限の喧噪

 

名誉のために1人のエースが尋常でない球数を投げさせられるのはどう考えてもおかしい

とあるが、考えられる理由と心情は、思い測るに余りある。おかしくない点などいくらでもあるのに。

名誉のために生きることのどこがおかしいのだろう。

 

球数制限には弊害が大きすぎるのだ。この導入によりチーム作りの根本が変わり、

高校野球そのものの存在を根本から覆す。これも過去の4回で記した。

 

100年に渡る伝統や慣習を一気に変える出来事になり、

高校野球そのものがなくなる可能性すらある。

変革を必要とされ、それによりなくなるものはよくあることであり、仕方がない。

そして違う新しいものが生まれるのなら、それは進歩だ。

ただし球数制限をすることにより、やる側も観る側も必ず不平不満が噴出し、

何度も再考を要することになろう。

その結果、モチベーションにも影響し、どこへ向かうかわからなくなる可能性がある。

タイブレークの是非どころの話ではない。

そこのところへの言及はこの記事にはない。

 

そして、気になる言い方、

根性論を封じ込めていけば、公立高校からも良い選手は絶対に生まれる

世の風潮に合わせた、根性の絶対否定だ。

根性とはがんばりであり、努力とも通ずる。

努力と根性は相通ずる面が多くあり、言い方を変えただけとも言えるのに、

根性と聞くと、最近は拒絶反応を起こす。

 

事を成すために根性をもってして取り掛かるよう、根拠のない言い草で苦しい思いを強い、

選手がつぶれた例があるから忌み嫌われるが、根性を全く排除して、つまり一生懸命とか努力とか

練習を積むとかをなくして、成長できると言っている人は1人もいない。根性は必要なのだ。

甘ちゃんだけで社会が動くか。大業が実現するか。

 

球数制限が持ち出されるのは、日程が過密だからに他ならない。

日程を緩和できれば、球数制限など必要ない。

その日程にはこの記事では言及していない。

その変化への判断は高野連へ丸投げしているようだ。

そして、取り入れられない理由への考察はなしに、

選手側からの希望も何も考慮せず、無責任な言いっぱなしの内容だった。

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