普段のイニングならランナーが多い方がいい。
だが、サヨナラの場面では、必要ないランナーが出てくるのだ。
というより、邪魔とさえいえるランナーだ。
どういうことか。
2022-5-4 守ってミス、走ってミス、結果サヨナラゲーム
2022-5-5 守ってミス、走ってミス、結果サヨナラゲームⅡ
2022-5-6 守ってミス、走ってミス、結果サヨナラゲームⅢ
2022-5-10 ランナーがこれ以上要らない場面 ランナーを出すことが邪魔という稀のケース
フォースプレーは、三塁手がベースに足を突いて、伸びることで捕球をすればアウトをひとつ獲得できる。
タッチプレーはその名の通り、ランナーにタッチが必要だ。
タッチするには、ランナーの足がベースに入ってくる地点に送球が来てくれる事が理想。
捕った状態でわざわざランナーに触れなくても勝手に足がグラブにぶつかって
自らタッチされに来ているかのような状態が理想なわけだ。
これが、受け手の胸辺りに、一般的には良い送球とされるものだと
タッチに行くとなったらその分、ロスが生まれる。
まして高く行ったり、ベース上より逸れたりしたら大きなロスであり、
相手の暴走でもない限り刺すことはできない。
一方、フォースプレーなら高く行っても、逸れても足をつけたまま体や腕を伸ばして
キャッチするだけでいいので、送球の質にそれほどこだわらない。
とにかく足がベースから離れないところに送球できれば、ほとんどロスはない。
これだけ、フォースプレーとタッチプレーでは時間の差と送球の質に違いがある。
したがい、フォースプレーは守備側からすればタッチプレーに比べかなり楽。
逆に攻める方は、フォースプレーでのバントを決めるのは難しい。
塁間27m程度、0コンマでアウトとセーフが分かれる野球ではこれは大きな差だ。
そこでタイブレークだ。
タイブレークの出発はこのフォースプレーであるということにある。
1,2塁ではじまるということだ。フォースの状態ではじまるということ。
裏のチームは、表の結果で作戦を考えればいい。
もし、0点で抑えたのなら、1点獲ればいいのだから、順当に考えれば、ワンアウト2,3塁の形にしたいだろう。
そして、守備側が敬遠策をとり、1死満塁でいざ勝負となる。
星稜-智弁和歌山ではタイブレークの2回とも表の智弁和歌山は0点だった。
だから星稜は送りバントをしてきた。
ところが、智辯和歌山同様、星稜も13回、14回と送れず、失敗だった。
だから表の攻撃が0点で終わった場合、裏の攻撃のチームは2人のランナーがいらないということだ。
1,2塁でのバントは難しいから、表を0点で凌いだ裏のチームは1塁ランナーがいらないということになる。
1点獲ればいいのだから。
ワンアウトで3塁にランナーを置きたい裏の攻撃のチームは
「すみません、1塁ランナーいらないんで、ランナー2塁からはじめてもいいですか?」
と言いたくなる。「アウトカウントもったいないんすよ」と。